今回は、MLB2022シーズンの日本人選手について期待することをまとめました。
大谷翔平(エンゼルス)
MLB 5年目、年俸 550万ドル。
昨季の成績
【投手成績】
防御率 3.18、登板 23、投球回 130.1
三振 156、四球 44、WHIP 1.09
【打撃成績】
打率 .257、HR 46、OPS .965
打席 639、四球 96、三振 189
投げてはメジャーで初の100イニング超え、打っては46本塁打と文句なしのMVP。二刀流として1つの頂きを見た気がします。
更なる高みへ
多くの人が次に期待するのはやはり投球回&打席のW規定到達でしょう。ただ、6人制ローテや投球スタイルなどを考えると、規定投球回への道のりは険しい。当然W規定が見たいのは山々ですが、少しでも長く翔平の活躍が見たいので今はまだ狙って欲しくない気持ちの方が強いです。
投手・大谷としてまず大事なのは今季も1年間ローテを守ること。イニング数としては昨季から微増させるぐらいで十分だと個人的には考えています。
となると、更なる進化を期待するのはやはり打撃面でしょうか。昨季惜しくも逃した本塁打王のタイトルを再度狙えるだけの本数、具体的に言えば50本以上の本塁打を期待したいです。
後、もう1つ欲を言えば、やはりプレーオフで躍動する翔平が見たい。こればかりは翔平だけの力で叶えられるものではありませんが、プレーオフでも存在感を発揮し名実ともに偉大なプレイヤーと証明することが、翔平に残された数少ない頂きの1つではないでしょうか。
ダルビッシュ有(パドレス)
MLB 10年目、年俸 1900万ドル。
昨季の投手成績
防御率 4.22、登板 30、投球回 166.1
三振 199、四球 44、WHIP 1.09
鳴り物入りでパドレスに移籍した昨季ですが、残念ながら大きな期待には応えられず。奪三振率やWHIPなどは変わらず高水準を保っていますが、防御率4点台は厳しい数字でした。
サイヤング争いを再び
自身もチームも悔しい結果に終わった昨季ですが、引き続き強力な戦力を有しているので今季こそ挽回を。そのためにも、ダルビッシュにはローテの柱として存在感を発揮して欲しいです。
同地区にはドジャースやジャイアンツと強打のチームがおり、クアーズ・フィールドという投手泣かせな球場もあります。カブス時代の中地区と比べるとかなりハードな戦いが続きますが、ここで19年後半や20年のような投球を披露出来れば三度目の正直、サイヤング賞獲得も再び見えてきます。
長期に渡ったロックアウトの影響によりコンディション調整に苦労している先発投手が多いので、今季のサイヤング争いは群雄割拠の様相。健康を保てればダル自身もそしてチームとしても大願成就に近付くはずです。
菊池雄星(ブルージェイズ)
MLB 4年目、年俸 1600万ドル。
昨季の投手成績
防御率 4.41、登板 29、投球回 157
三振 163、四球 62、WHIP 1.32
真価を発揮したかった昨季ですが、前半は順調も後半に失速。防御率は一応良化し奪三振率も変わらずの高水準でしたが、被HRが多くFIPは逆に悪化してしまうなど評価が割れる成績となっています。
期待は大きくもないが小さくもない
再建後の主力と期待していたマリナーズでしたが、その期待に届かずオプションを破棄。一方、菊池側もオプションを破棄し市場に出る強気の姿勢。その結果、ブルージェイズとの好契約を勝ち取り、まだまだ評価の高さは持続中といったところ。
チームのローテにはベリオス、ゴーズマン、リュと強力な三本柱がいるので、厳しい言い方をすればエース級の活躍は期待されていないでしょう。がしかし、ブルージェイズは激戦区・ア東を戦うコンテンダーなので、4,5番手と言ってもそれなりの投球は期待されているはずです。
立場的には昨季3,4番手を務めたマッツの穴埋めとして補強されたので、マッツの昨季の成績が1つ評価基準となりそうです。決してハイレベルな成績ではないのですが、強豪ひしめくア東での成績と考えると低いハードルでもない絶妙なラインだと思います。
※参考までにマッツの昨季の成績です↓
防御率 3.82、登板 29、投球回 150.2
三振 144、四球 43、WHIP 1.33
前田健太(ツインズ)
MLB 7年目、年俸 300万ドル。
昨季の投手成績
防御率 4.66、登板 21、投球回 106.1
三振 113、四球 32、WHIP 1.30
中々調子が上がらずおかしいなと思っていたところ、右腕を負傷。ついに靭帯が悲鳴を上げたため、トミー・ジョン手術を決断。シーズン途中で離脱となってしまいました。
今季全休が濃厚ですが
手術は残念でしたが、今までの活躍を考えればよく持ったなと評価されるべきだと思います。契約は23年までとなっているので、来季復活できれば次の契約へのアピールに間に合う見通し。タイミングとしては悪くない時期でしょう。
また、今回のTJ手術は従来のものと少し異なる形式という点は非常に興味深いです。従来では投球開始が約1年後、実戦復帰は約1年半後というのが通説だったのですが、今回の手術ではこれらの時期が少し早められるかもしれないとのこと。順調に行けば今季終盤に復帰できるかもしれません。
まあ再発しては元も子もないので今季中に復帰の可能性は低いと思いますが、ツインズがプレーオフを狙える状況であればあり得るかも。リハビリの過程にも注目が集まりそうです。
澤村拓一(レッドソックス)
MLB 2年目、年俸 120万ドル。
昨季の投手成績
防御率 3.06、登板 55、投球回 53
三振 61、四球 32、WHIP 1.45
上記の成績を見れば良くやったと評価する方も多いかもしれませんが、制球難はアメリカでも変わらず。首脳陣からあまり信用されていないのが現状です。
信用を勝ち取れるか
何とか奮投を続けていたものの、ポストシーズンではメンバー外を経験するなど悔しさも味わったメジャー1年目。2年目はもっと信用されるパフォーマンスを見せたいところ。
鍵を握るのはやはり制球面。ただ、この短所は日本時代からずっと指摘されており、今更急激に良くなるという期待は持てないでしょう。スプリットを軸とした奪三振力で短所をカバーできれば良いのですが、現状ではやはり不安定というイメージが先行しています。
レッドソックスのブルペンはそれほど優れているわけではないので、大きなチャンスが転がりこんでくる可能性もあります。がしかし、序列を上げていくのは中々骨が折れそうというのが個人的な印象です。
有原航平(レンジャーズ・マイナー)
米挑戦 2年目、年俸 360万ドル。
昨季の投手成績
防御率 6.64、登板 10、投球回 40.2
三振 24、四球 13、WHIP 1.43
評価できるポイントを探すのが難しい成績。故障もあったのでもう少し長い目で見てもらえるかと思っていたのですが、9月にDFAとなりマイナー降格。
山口俊の二の舞か
先発が良くないレンジャーズでさえ早々に匙を投げられてしまい、非常にマズイ状況。マイナーでも状態は好転せず、メジャー復帰は遥か遠い道のりとなっています。
レンジャーズは上位進出の可能性がそれほど高くないので、シーズン終盤のイニング埋め要員としてお呼びがかかる可能性はあり得ますが、そこまで待つメリットはあるのでしょうか?本人的には悔しいでしょうが、昨年の山口俊のように早期の日本復帰を考えた方が個人的は良いのではと思います。
筒香嘉智(パイレーツ)
MLB 3年目、年俸 400万ドル。
昨季の打撃成績
打率 .217、HR 8、OPS .689
打席 262、四球 29、三振 72
ステップアップを目指した2年目は開幕から絶不調に陥り、レイズから早々にDFA。ただ、捨てる神あれば拾う神あり。ドジャースのマイナーで復調気配を見せると、パイレーツに拾われてからは何とか見れる数字に持ち直しました。
トレードの駒となり恩返しを
今季も引き続きパイレーツでプレイすることとなり、昨季終盤のパフォーマンスを今度はフルシーズンで見せて欲しい。パイレーツに恩返しとなる活躍を期待しています。
ただ、今季のパイレーツは上位を狙えるチームではないので、ここで言う恩返しとはひたすらチームの勝利に貢献すべしということではありません。自身の打撃を極めそれを他球団にアピールし、最終的にはトレードの駒として取引されるのが筒香にとってもチームにとっても理想の流れ。
まあ、チームの思惑は自分の力で左右できるものではないので、とにかく打ちまくれということ。昨季のパイレーツで見せた打撃を序盤から出来れば、引く手あまたとなるのは間違いなし。今度こそ、躓かずに春先から暴れて欲しいですね。
加藤豪将(ブルージェイズ)
プロ通算 10年目、年俸 70万ドル。
昨季の打撃成績
打率 .306、HR 8、OPS .862
打席 402、四球 46、三振 84
※マイナー(AAA)での成績
メジャー昇格とはなりませんでしたが、初めてAAA級でフルシーズンを経験。また、OPS8割越えと打撃面でも着実な成果を見せていました。
念願のメジャー昇格!
ドラフトで入団したヤンキースでは層の厚さに阻まれ、20年にはコロナで全休も経験するなど苦しい時期も多かったのですが、今季は何と開幕からメジャーのアクティブロースター入り。ついに念願のメジャーデビューです。
ブルージェイズはコンテンダーなので当然戦力はかなり揃っていますが、実は内野陣の層は意外と薄い。なので、マイナーオプションの関係で何度かマイナー降格を経験すると思いますが、出番はいくつかあるでしょうし大きなチャンスもあるかもしれません。ただ、シーズン中にも積極的な補強が予想されるチームなので、なるべく早めに存在感を示したいところ。
競争が激しいチームですが、その分やりがいもあるはず。まずは1年間40人枠をキープすることが重要ですが、シーズン終盤やプレーオフで大役を任せられたらさらに最高です。
鈴木誠也(カブス)
MLB 1年目、年俸 700万ドル。
昨季の打撃成績
打率 .317、HR 38、OPS 1.072
打席 533、四球 87、三振 88
※広島(NPB)での成績
5ツールプレイヤーとしての安定感は健在で、それに加え長打面も進化。まさに完璧な数字を残しており、日本でやり残したことは無いと言い切れる成績でした。
日本人打者の未来を背負って
5ツールプレイヤーとしての万能型や長打に片寄ったスラッガー型、または最悪長打が少ないアベレージ型でも良いので、とにかくチームの戦力になったと言える成績を残して欲しいと思っていました。
大谷という大きな当たりはありましたが、その後の筒香や秋山の躓きにより日本人打者の評価は低迷中。この評価の行方を誠也が握っているのは明白で、未来の挑戦者たちの命運は誠也次第と言っても過言ではないでしょう。
そんな状況の中迎えた誠也の1年目はまさにロケットスタート。変わらずの出塁能力をアメリカでも発揮しており長打面もOK。後はこのクオリティーを1年間どのレベルで保てるかという話になっており、予想以上に順調な滑り出しです。
誠也本人も憧れていると言っているようにやはり理想像はトラウトであり、持ち味は総合力。分かりやすい成績で言えばOPSに注目したいと思っており、8割いや9割超えを目指して欲しいと期待しています。
秋山翔吾(レッズ→FA)
MLB 3年目、年俸 800万ドル。
昨季の打撃成績
打率 .204、HR 0、OPS .535
打席 183、四球 14、三振 40
結局2年目も本塁打は0で、肝心の打率も低迷。守備では一応存在感を示した部分もありましたが、やはり年齢を考えると厳しいと言わざるを得ない成績でした。
失意の安打製造機
崖っぷちで迎えたスプリングトレーニングでも状態は上がらず、まだ契約は残っていましたがDFAに。マイナーからの仕切り直しも提案されたようですが、一度市場に出る事を決断しFAとなりました。
足のスペシャリストであったり打率がそこそこ残せていたのであれば、まだ可能性もあったでしょう。ただ、現状年齢などを考えると、アメリカで良いオファーを貰うのは厳しいと思います。古巣・西武を筆頭に日本国内から関心が集まっているので、日本復帰も大いにあり得る状況。アメリカで挑戦を続けるか日本に帰ってくるか、まずは秋山の決断を見守りましょう。
追記
4/30にパドレスとマイナー契約との報道。当面はアメリカに残り、再度メジャーの舞台を目指すようです。