【プロ野球】ドラフト2022の注目候補を紹介

ドラフト2022の目玉候補をまとめました!

高校生のドラフト候補

コロナ直撃世代ということもあってか今年序盤までは中々候補の名前が挙がってきませんでしたが、夏の予選が始まるとやはり楽しみな選手が増えてきました。

投手

高校生投手のドラフト候補
選手 高校
山田陽翔 近江
田中晴也 日本文理
斉藤優汰 苫小牧中央
齋藤響介 盛岡中央
川原嗣貴 大阪桐蔭
安西叶翔 常葉大菊川
赤羽蓮 霞ヶ浦
門別啓人 東海大札幌
森山暁生 阿南光
大野稼頭央 大島
森下瑠大 京都国際

有力候補の印象

ハイシーリング(伸び代の天井が高い)とハイフロア(伸び代の底値が高い)の両方を併せ持つ投手が少ない印象なので、1位はおろか2位での指名もなしという可能性はありそうです。

そんな印象の中、両方の伸び代を1番高く感じられるのは門別啓人でしょうか。大きな欠点は見当たらず、後はプロで通用する決め球さえ見付けられれば早期からの活躍も期待できる左腕。左腕不足に悩む球団も多いため、彼の評価は間違いなく高いはずです。

ハイフロアを確保できてはいませんが、ハイシーリングの高さに魅力を感じる右腕は多いと思います。夏にアピールは出来なかったもののまだ軽く投げている感じで150kmを記録できる田中晴也やノビのある速球が夏に更に進化した斉藤優汰、小さいテークバックからでも高出力を出せる齋藤響介など右腕にタレントは揃っている印象です。

一方、今夏の甲子園で好投を見せた山田陽翔についてはハイフロアを確保できているものの、ハイシーリングの方ではやや期待薄の印象。スライダーを軸とした奪三振力は大きな魅力を放っていますが、リリーフ止まりで終わってしまう可能性も感じます。

野手

高校生野手のドラフト候補
選手 守備 高校
松尾汐恩 捕手 大阪桐蔭
内田湘大 一塁 利根商
内藤鵬 三塁 日本航空石川
勝又琉偉 遊撃 富士宮東
戸井零士 遊撃 天理
イヒネ・イツア 遊撃
金田優太 遊撃 浦和学院
浅野翔吾 外野 高松商業
海老根優大 外野 大阪桐蔭
古川雄大 外野 佐伯鶴城
井坪陽生 外野 関東第一
西村瑠伊斗 外野 京都外大西
三塚琉生 外野 桐生第一

浅野翔吾

元々ドラフト1位候補ではあったものの、身長170cmや外野手であることを考えるとドラ1に懐疑的な意見もありました。がしかし、そうした意見を吹っ飛ばしたのが甲子園での3発。甲子園効果で1位候補から競合候補へと評価が上昇している状況です。

今時のスラッガーらしく甘めのゾーンを3方向に放りこめるスラッガー。その一方で、守備や走塁にもセンスを感じるプレーを見せるため、5ツールプレイヤーとして期待できる逸材だと思います。

基本的に右打ではあるものの、スイッチヒッターとして時折左打にも挑戦中。また、甲子園では主に外野を守っていましたが、内野転向の可能性も残しています。とにかく走攻守、何れでもセンスを感じる選手なので、良い意味で将来像が予想できない存在です。

内藤鵬

浅野が卓越したセンスで魅せるスラッガーなら、こちらは圧倒的な飛距離で魅せる生粋のスラッガー。体重100kgからも分かるように、目指すべき理想像はやはり西武の中村でしょう。スイングスピードの速さや内角の捌きを見ると、本当に楽しみなスラッガーの卵です。

1つ気がかりがあるとすれば、大型選手あるあるの故障の多さでしょうか。早めにどんどん上を経験させたい打者ではありますが、コンディション次第では少し長い目での育成も必要となるかもしれません。

有力候補の印象

ハイシーリングとハイフロアの両方を併せ持つということで2人のスラッガーを上記で紹介しましたが、2人以外にも楽しみな高校生打者が揃っています。

まず、他と差別化できる存在として捕手という大きなアドバンテージを持っている松尾汐恩が挙げられます。打撃の完成度は上記2選手より少し劣りますが、やはり貴重な打てる捕手の卵なので最上位の評価を受けるかもしれません。

次に注目したいのは伸び代の天井の高さが予測不能と感じるロマン砲の卵たち。ナイジェリア人の両親から抜群の身体能力を受け継いだイヒネ・イツアやまだ細身であるものの紅林2世とも感じる勝又琉偉、名門で5番中堅手を担ってきた海老根優大、知名度は劣りますがスケール感は引けを取らない古川雄大、独特のフォームからHRを量産する西村瑠伊斗などなど続々と名前が挙げられます。何れも確実性には少し不安も覚えますが、育て上げられれば大きなリターンが帰ってくる有望株たちだと思います。

また、天井の高さはやや劣るもののハイフロアの高さを評価できる打者として、遊撃守備に定評がある戸井零士や今春の選抜で安打を量産した金田優太なども楽しみな候補たちだと思います。

大学生のドラフト候補

投打ともにタレントが揃っている世代。上位を大学生で固めようとする球団もあるのではないでしょうか。

投手

大学生投手のドラフト候補
選手 大学
荘司康誠 立教大
金村尚真 富士大
菊地吏玖 専修大
青山美夏人 亜細亜大
羽田野温生 東洋大
松井颯 明星大
才木海翔 大阪経済大
松山晋也 八戸学院大
仲地礼亜 沖縄大
矢澤宏太 日本体育大
曽谷龍平 白鴎大
久保玲司 近畿大
伊原陵人 大阪商業大

矢澤宏太

今年1番の注目株はやはり新たな二刀流・矢澤宏太ではないでしょうか。投げては左腕ながら150km超えを記録し、打っては小柄ながらフルスイング。野球センスの塊と評すに相応しい選手であり、ロマンを抱かずにはいられない逸材です。

ただ、本当にプロの世界で二刀流を実現させて行けるのか不安視する声もあるでしょう。

150km超の速球とスライダーのコンビは強力な武器となりそうですが、類似タイプの西武・佐藤隼はプロで苦戦中。矢澤の場合も中継ぎ向きとの評価が多く、中継ぎと打者の両立は先発との両立よりも一段と難しくなるのではと個人的に危惧しています。

一方、魅力のフルスイングもプロの球にアジャスト出来るのかという不安が。同じく投打に評価が高かった中日・根尾もコンタクト力の問題から投手に転向となった例は記憶に新しいと思います。

左腕なので最悪リリーフ左腕として潰しが効くのは評価できる点だと思いますが、この将来像の振れ幅の大きさは少し気になるところです。矢澤を確実に戦力化させるためには選手自身の問題だけでなく球団としても明確な計画が必要であり、そう考えると手を挙げられる球団は限られているかもしれません。

曽谷龍平

投手という面だけで見れば矢澤より評価されているように感じるため、今ドラフトNo.1左腕は曽谷かなと思います。即戦力左腕を求めている球団は多いと思うので、競合候補と見るべきでしょう。

MAX152kmを記録しており、試合終盤でも球速が落ちないのは大きな魅力です。一方、変化球は矢澤と同様にスライダー系が中心。ただ、フォーム的にはツーシーム系の球も操れそうな印象を受けるので、そこまで不安要素にはならないでしょうか。

また、メカニズムに関して詳しくないので偉そうなことは言えませんが、巨人・中川のようにパッと見外側から腕を回しているように見えるフォームなのは気になるところ。中川が故障に苦しんでいることもあり、耐久性には少し注意が必要かもしれません。

有力候補の印象

左腕の方が需要が多いこともあり上記では2人の左腕を紹介しましたが、大学生右腕にも楽しみな投手が揃っています。

まず、注目したいのは東北のドクターKとして驚異のK/BBを記録している金村尚真とTHE本格派として抜群のスタミナを誇る菊地吏玖の2投手。ともに高いハイフロアを有しており、即戦力候補として間違いなく評価されている投手だと思います。

一方、ハイシーリングの高さで注目したいのは荘司康誠。故障などもありリーグ戦初登板は3年春と遅くなりましたが、188cmからのホップ量が多い速球は威力抜群。耐久性や継続性には課題を残していますが、それらを克服さえできればエースになれる器だと思います。

また、彼ら以外にも亜大ツーシームを受け継ぐ青山美夏人やMAX156kmの剛腕・羽田野温生、関西が誇るパワー右腕・才木海翔などまだまだタレントが揃っているポイントとなっています。

野手

大学生野手のドラフト候補
選手 守備 大学
野口泰司 捕手 名城大
吉田賢吾 捕手 桐蔭横浜大
山田健太 二塁 立教大
齊藤大輝 二塁 法政大
村松開人 二塁 明治大
林琢真 二塁 駒澤大
田中幹也 遊撃 亜細亜大
友杉篤輝 遊撃 天理大
奈良間大己 遊撃 立正大
門脇誠 遊撃 創価大
森下翔太 外野 中央大
萩尾匡也 外野 慶應義塾大
蛭間拓哉 外野 早稲田大
澤井廉 外野 中京大
杉澤龍 外野 東北福祉大

蛭間拓哉

即戦力候補のスラッガーをどの球団も欲している中、注目が集まっているのが蛭間拓哉でしょう。打撃は浦和学院時代から折り紙付きな一方、外野守備や走塁面も計算できるのが大きな魅力です。

以前からBB/Kの低さが課題となっていましたが、これも改善傾向にあり。まあ、早大に強打者が少ないことから四球が増えているだけといった側面があるのも事実ですが、そうした厳しいマークの中でも結果を残せているのは強打者の証でしょう。

ハイシーリングの高さを感じるスラッガー候補は複数いますが、ハイフロアもと考えると候補は一気に減るため、両方を併せ持つ蛭間は貴重な存在だと思います。

山田健太

根尾や藤原らと大阪桐蔭の同期で、立大では1年目から活躍とスター性を感じる逸材。がしかし、3年以降は本来の実力を発揮できておらず、一時は1位間違いなしの評価が今では2位後半でも残っているかもというところまで下がってしまっている状態です。

また、評価が下がっているもう1つの理由として、守備範囲の狭さが挙げられます。同じような評価だったDeNAの牧のように打ちまくれば大きな問題とはなりませんが、現状の打撃では打てる二塁手として考えるのは危険かもしれません。

ピックアップしながらネガティブな言及が多くなってしまいましたが、本来は実力のある選手。スター性も兼ね備えているので、大きなリターンが帰ってくると期待しての1位指名はまだまだあり得ると信じています。

有力候補の印象

今年の大学生野手は各ポジションにタレントが揃っているので、ポジション毎に触れていきたいと思います。

捕手

打撃型捕手の候補としては野口泰司吉田賢吾の2人に注目が集まっています。捕手としての確実性は野口に軍配が上がる一方、打撃の完成度は吉田に軍配。ただ、吉田の場合プロで捕手は厳しいという評価も多いため、早期のコンバートを見込んだ指名となるかもしれません。

二塁手

山田健に並ぶ強打の二塁手として齊藤大輝にも注目を。打撃のポテンシャルは山田健に劣りますが、攻守の確実性は齊藤の方に軍配。球団によっては齊藤の方を好むかもしれません。また、秋に復調を見せている村松開人も面白い存在です。

遊撃手

今年は右打の俊足巧打が揃っている珍しい年。その中でもショートを確実に埋めたいなら友杉篤輝。関西ながら今年は大暴れを見せており、打撃の完成度は1番高いと思います。

一方、亜大を優勝に導いたキャプテン・田中幹也や常葉大菊川時代から打棒を発揮している奈良間大己にも期待。ただ、田中幹の場合はオリックス・安達らで有名な難病「潰瘍性大腸炎」を患っているため、コンディション面に少し不安も抱えています。

また、左打ということで希少性が低いものの、門脇誠も面白い存在。打撃の完成度は友杉と双璧を成しており、後は左右の好みなどで評価が分かれるといったところでしょうか。

外野手

左右ともにスラッガーが揃っているポジション。まず、蛭間と双璧を成す存在として森下翔太が挙げられます。手首の故障で少し評価を落としてしまいましたが、センター守備は彼の方が上であり打撃面も高弾道で期待できるスラッガーです。また、萩尾匡也は4年次に大暴れし一気に上位候補に。長打力では蛭間より上との評価も増えてきました。

一方、同じ左では体格がとにかくゴツイ澤井廉と仙台の三冠王・杉澤龍、2人の地方のスラッガーに注目です。所属リーグのレベルなどもあって蛭間より低い評価となっていますが、カタログスペックは遜色なく蛭間を逃した球団が指名する可能性は大いにあり得るでしょう。

社会人のドラフト候補

所属元の意向なども関係してくるので、リストアップにも一苦労。指名の有無や順位を予測するのが難しいポイントとなっています。

投手

社会人投手のドラフト候補
選手 所属元
吉村貢司郎 東芝
河野佳 大阪ガス
益田武尚 東京ガス
吉野光樹 トヨタ自動車
小孫竜二 鷺宮製作所
高野脩汰 日本通運
長谷部銀次 トヨタ自動車
加藤三範 ENEOS
入江空 茨城日産
片山皓心 Honda

吉村貢司郎

今ドラフトNo.1の即戦力投手はやはり吉村貢司郎でしょう。昨年の指名漏れ後辺りから球速の安定感や変化球の制球力に更なる成長が見られており、今年は文句なしのドラ1投手になっていると思います。

基本的にはまず先発で考えたい投手ですが、高い奪三振率を誇っているので最悪リリーフでも潰しが効くというのは安心材料。ハイフロアがとても高い投手です。

一方、唯一懸念される点は大卒社会人+昨年の指名漏れにより年齢が高いことでしょうか。ただ、同じような経歴からプロで長年活躍している投手もいるので、特段大きな問題にはならないと思います。

有力候補の印象

即戦力候補として次に挙げられるのは益田武尚。吉村と比べると1つクオリティが落ちてしまう印象も受けますが、彼もまた1年目からのローテ入りが期待できる存在です。

また、吉野光樹も成長著しい候補。上記2投手と比べると即戦力度合いは落ちますが、早い段階での1軍定着を期待できるだけの素質は持っています。

一方、昨年の2大大会で活躍した河野佳は、今年の都市対抗で結果を残せなかったこともあり評価が急落中。2位後半や3位辺りの候補として一応名前が挙がりますが、社会人ということもあり指名漏れの可能性もあり得る状況です。

野手

社会人野手のドラフト候補
選手 守備 所属元
平良竜哉 二塁 NTT西日本
和田佳大 遊撃 トヨタ自動車
中山遥斗 内野 三菱重工East
佐藤勇基 内野 トヨタ自動車

有力候補の印象

上位候補としてだけでなく指名確実と言い切れる候補も中々挙げられない状況。ただ、昨今のドラフト事情を振り返ると、中野(阪神・20年6位)や野村(ソフトバンク・21年4位)、上川畑(日本ハム・21年9位)など早い段階から1軍で活躍している二遊間選手も目立っているため、社会人トップクラスの二遊間選手は注目したいポイントとなっています。

まず、1番最初に名前が挙がりそうなのは平良竜哉でしょうか。強打の二塁手として大学時代から注目のスラッガータイプ。確実性には課題を残しますが、守備面が大学生候補よりも計算が立つのは評価ポイントとなりそうです。また、プロアマ交流戦をきっかけに中山遥斗の評価も上昇中。内野ならどこでも可能な守備力に加え、広角に鋭い打球を飛ばせる打撃も評価されています。

トヨタの二遊間コンビにも注目を。和田佳大は昨年指名漏れを経験もショートの守備力は折り紙付き。守備職人が欲しい球団が狙いそうな候補です。また、佐藤勇基は攻守のバランスの良さが評価されている選手。和田がいるので現在は二塁を守っていますが、中京大中京時代からショート守備にも定評があります。

総括

最後に今ドラフトの特徴をまとめて終わりたいと思います。

  • ドラフト1位12人の予想が難しい
  • 大学生は投打でタレント豊富
  • 高校生は玉石混淆
  • 右腕は供給過多も、左腕は不足

昨年と同様にドラフト1位12人を予想するのはかなり骨が折れそうです。楽しみな選手は多いので不足年とは思いませんが、1位としてはやや物足りなく2,3位で欲しいなという選手が多い印象を受けます。

そんな中、投打でタレントが揃っている大学生候補は今ドラフトの要注目ポイント。特に野手候補のバリエーションが豊富なので、野手陣に課題を持つ球団は戦略次第で一気に改善といった筋書もあり得るかもしれません。

一方、高校生はコロナの影響もまだ残っており、難しい時期が続きます。楽しみな金の卵は多いのですが、確実性も備えているのはほんの一握り。誰がプロで伸びるのか見出すことが鍵を握り、スカウト陣の腕の見せ所となるでしょう。

最後に投手事情について。動作解析などのデータ活用がアマレベルまで浸透し始めている影響もあってか、右腕は供給過多と言えるレベルで揃っている印象です。その一方、記事内では触れられませんでしたが、左腕不足は深刻な状況。左腕は早い者勝ち、右腕は思わぬ大物が下位指名まで残るといった展開が昨年と同様に見られるかもしれません。

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