今回は、ドラゴンズのドラフト2020について評価をまとめました!
12球団全体の評価については「ドラフト2020 指名結果と評価のまとめ」にまとめてあります。
2020年ドラフト指名選手一覧
今回指名した選手は本指名6選手、育成3選手。
高校生中心の指名となっている。
順位 | 選手 | 守備 | 所属 |
---|---|---|---|
1 | 高橋宏斗 | 右投手 | 中京大中京高校 |
2 | 森博人 | 右投手 | 日本体育大学 |
3 | 土田龍空 | 遊撃手 | 近江高校 |
4 | 福島章太 | 左投手 | 倉敷工業高校 |
5 | 加藤翼 | 右投手 | 帝京大可児高校 |
6 | 三好大倫 | 外野手 | JFE西日本 |
育成ドラフト | |||
1 | 近藤廉 | 左投手 | 札幌学院大学 |
2 | 上田洸太朗 | 左投手 | 享栄高校 |
3 | 松木平優太 | 右投手 | 精華高校 |
1位 高橋宏斗
- プロフィール
- 2002年生。185cm、85kg。
- 投手、右投。
- 中京大中京高校
未来のエース!
高橋の魅力は何と言っても馬力。MAX154キロばかりがクローズアップされているが、注目すべきは速球の安定感。常時150キロ付近の速球を投げられ、コーナーに制球もできる。この速球を見たら惚れちゃうのも納得です。残る問題としてはやはり変化球かな。現状の変化球も良いものを持っていると評価されているが、こればかりはプロでの実戦を見なければ分からない。逆に言うと、変化球の目処さえ立てられれば、早期の1軍ローテ入りも十分あり得るレベル。
本音を言えば、高校生投手は粒揃いであり下位でも面白い選手が控えているので、最初は早川で行って欲しかった気持ちもある。ただ、本来であれば競合必至の超高校級投手をノーリスク、一本釣りで獲得できたので、良しとするべきかな。ここ10年で指名した高校生投手の中では間違いなく素質No.1なので、贅沢を言ってはいけないね。
2位 森博人
- プロフィール
- 1998年生。177cm、80kg。
- 投手、右投。
- 豊川高校−日本体育大学
期待の即戦力右腕!
補強ポイント的には即戦力左腕が欲しかったが、指名前の段階で刈り尽くされちゃったので、即戦力右腕に切り替えたのは正解でしょう。彼もまた愛知出身の投手であり、場合によっては外れ1位もあり得た投手なので、2位で取れて良かった。タイプ的にはリリーフで、勝ちパターンのバリエーションを増やすためにも面白い投手となりそう。ただ、最近は先発でも結果を出し始めているので、当面は先発で挑戦させる可能性が高いかな。
そして、もう一つ嬉しいのがようやく元ドラゴンズである辻コーチの教え子を獲得できたこと。ドラゴンズでは芽が出なかったが、日体大ではコーチとして手腕を発揮しており、ここ数年は毎年のようにドラ1クラスの投手を輩出している。ドラゴンズは高校生スターを獲得してきたのでなかなか縁がなかったが、今回ようやく良縁を結べた。
3位 土田龍空
未来予想図のラストピース
高校生の遊撃手は欲しいポイントであったが、優先順位的には下だと予想していたので、このクラスの選手は取れないと思っていた。しかし、スカウト陣が評価していた即戦力野手は佐藤と牧ぐらいだったみたいなので、3位でレベルの高い高校生野手を指名できた。
本命はジャイアンツが指名した中山だったと思うが、チーム事情的には土田で良かったとも思う。と言うのも、ドラゴンズの未来を考えた時、ショートの守備を安心して任せられる選手が不在。中山の守備も評価は高いが土田の方が守備は上であり、すでにプロでもショートで行けると言い切れる守備力の持ち主。また、彼の加入により根尾や石川を打力重視のポジションで育成できる状況が整ったため、チームの未来のためにも良い選択だったと思う。打力の方は流石に中山より見劣りするが、クセの少ないスイングなど評価すべき点はあるため、将来的には源田のような選手になって欲しい。
4位 福島章太
- プロフィール
- 2002年生。176cm、88kg。
- 投手、左投。
- 倉敷工業高校
左のトッププロスペクトとして選択
森の時にも言ったが、即戦力左腕はほとんど残っていなかったため、問題の左腕は高校生を選択した。ただ、有名どころでは高田(DeNA 6位)が残っていたので、彼を差し置いての指名は少し予想外だった。交流会でのアピールが強く印象に残っており、ドラゴンズ的には福島の方が上だと評価したのでしょう。能力としては制球が良いですねぐらいしか今の段階では言えないので、今後の伸びに期待。
ただ、ここの指名は賛否が大きく分かれそう。即戦力左腕を諦めるにしても、即戦力野手の指名は可能だったタイミング。ここまで高校生の指名が多かったので、自分も即戦力の指名を期待していた。だが、スカウト陣が評価している即戦力野手はもうおらず、また後述するイチオシ枠がいたため、ここでは質、量ともに不足している左腕を優先したのでしょう。
5位 加藤翼
- プロフィール
- 2002年生。179cm、80kg。
- 投手、右投。
- 帝京大可児高校
Wエースも夢じゃない
高橋を1位で指名したこともあり、彼の獲得はほとんど諦めていたのだが指名してきたね。岐阜の投手なので早くからマークしていたと思うが、交流会での投球でかなり評価を上げていたので、ここまで残っているとは思わなかった。みんな期待している5位枠に相応し過ぎる投手を獲得できた!
彼の持ち味も速球だが、高橋とは少し違う魅力としてスピン量が評価されている。惚れ惚れとする球筋の速球を投げ、三振を奪う。彼の球を見れば、藤川球児や中里篤史が思い浮かぶでしょう。高橋と同じく変化球に問題を残しているが、こちらも同様に変化球さえ目処が立てば必ず1軍で大きな力となってくれる。このクラスの有望株投手を複数獲得できたのは今ドラフト最大の評価点。
6位 三好大倫
- プロフィール
- 1997年生。179cm、82kg。
- 外野手、左打。
- 三本松高校−JFE西日本(5年目)
イチオシ枠はアスリート系外野手!
イチオシ枠として彼を下位で指名できる自信があったから、ここまで即戦力の野手をスルーしてきたのでしょう。個人的にはドラフト前に良く候補に挙がっていた足が売りの選手を上位で指名するのはやめてくれと思っていたので、この判断は嬉しい。
ほとんど無名の選手で自分も知らない選手だったが、直近の大会では打ちまくっているため打撃に期待が持てる。また、動画を見た限りでは足もなかなか速いので、チームの補強ポイントにもピッタリの選手だと思う。後は守備がどうなのか、気になるところ。自分の予想していた即戦力ではないが、アスリート系野手は当たればデカイのでやっぱり期待しちゃうね。
育1位 近藤廉
- プロフィール
- 1998年生。180cm、87kg。
- 投手、左投。
- 豊南高校−札幌学院大学
パワー系左腕
上記にも書いたように持ち味は球威。球速のMAXはまだ150キロに届いていないようだが、球質はかなり重いらしい。変化球にもカットやフォークなど速球と見極めにくい球種を武器にしているため、兎にも角にも速球がどごまで通用するのかがカギとなりそう。
カタログスペックだけを見るとなぜ育成まで残っていたのか分からない。大学の地方リーグかつ2部だったことから、あまり評価が上がらなかったのだろうか?何れにせよ、育成選手としては楽しみな投手を指名したと思う。
育2位 上田洸太朗
- プロフィール
- 2002年生。184cm、95kg。
- 投手、左投。
- 享栄高校
期待値は未知数
近藤と同様に恵まれた体格の左腕だが、まだまだ発展途上。球速のMAXも140キロ代前半となっている。大きな体格ながら肩や肘を柔らかく使う一方で、まだ上半身に頼りきったフォームとなっている。まずはもっと下半身を鍛える必要がありそう。
伸び代は大きいと思うが、高校生の長身左腕をしっかり育成できたケースはあまり多くない。2軍投手コーチ陣の腕の見せ所かな。
育3位 松木平優太
- プロフィール
- 2003年生。178cm、70kg。
- 投手、右投。
- 精華高校
ダイヤの原石
岸を追いかけていた経験もある山本スカウト曰く、細身ながら肘を柔らかく使う投法は岸に似ているとのこと。投手を本格的に始めたのは昨秋からであるにも関わらず、すでに球速のMAXは145キロを記録したダイヤの原石。今後、どれほど伸びるのか本当に楽しみ!
昨年指名した竹内くんとともに実績のない高校生投手を育て上げるのがドラゴンズの新たなトレンドとなってこれば、ますます楽しみな投手陣となりそう。
総括
来年の優勝争いに追い風となる指名では残念ながらなかった。ただ、明るい未来がさらに眩しくなり、正直眩し過ぎて先が見えないよと思うほど、チームの未来に期待が持てる指名ではあった。優勝争いのために即戦力中心の指名を期待していたファンからすればガッカリなドラフトかもしれないが、数年後必ず黄金期が来るのでもうしばらくの辛抱。
一方で、これだけ高校生を指名したからには大野の残留と新外国人の獲得は自信有りと見て良いのか。いまいちあのフロントは信用できないので、正直不安の方が大きい状況。ここで投資を惜しまなければ、落合監督時代を超える黄金期も夢じゃない。勝負どころは今だと球団も分かっているはず。ここまでのチーム状態を作り上げた与田監督に報いるためにも今オフはマジで頼むぞ!