【プロ野球】ドラフト2023 指名結果と評価

ドラフト2023の指名結果評価をまとめました!

  • Pは左投を表しています。
  • S=95点以上、A=90点台、B=80点台、C=79点以下ぐらいの感覚で採点しました。

中日ドラゴンズ

中日のドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
× 度会隆輝 OF ENEOS
1位 草加勝 P 亜細亜大
2位 津田啓史 SS 三菱重工East
3位 辻本倫太郎 SS 仙台大
4位 福田幸之介 P 履正社高
5位 土生翔太 P 茨城(独立L)
6位 加藤竜馬 P 東邦ガス
育成ドラフト
1位 日渡騰輝 C 茨城(独立L)
2位 菊田翔友 P 愛媛(独立L)
3位 尾田剛樹 OF 栃木(独立L)
4位 川上理偉 SS 大分(独立L)

ドラフトの評価

評価:C

ドラフト直後は疑問が多かったものの、冷静に振り返ると、明確な悪手は一手のみ。ただ、その一手が来季とにかく大事な立浪監督と融通の効かない独自路線を敷くスカウト陣の悪いところを、凝縮しているのだから質が悪い。

また、最低限の人数を指名したのは評価したいのですが、早めの稼働を期待できる先発は結局1枚しか補強していないのは懸念材料です。他でのテコ入れが無ければ、再びローテ崩壊の危機を迎えるかもしれません。

バンテリンDに合いそうな先発右腕の草加、既存の二遊間と区別化できる津田、田中幹とはまた異なった好守を見せるショートの辻本など、個々の選手は楽しみな要素を備えています。ただ、近年の指名も踏まえトータルで見ると、二遊間乱獲などの歪な編成が続く不味い状況にしか見えません。とりあえず今は、これで二遊間が固まってくれるのを祈るしか無いです。

日本ハムファイターズ

日本ハムのドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
× 西舘勇陽 P 中央大
× 前田悠伍 P 大阪桐蔭高
1位 細野晴希 P 東洋大
2位 進藤勇也 C 上武大
3位 宮崎一樹 OF 山梨学院大
4位 明瀬諒介 3B 鹿児島城西高
5位 星野ひので OF 前橋工高
育成ドラフト
1位 濵田泰希 IF 京都国際高
2位 平田大樹 OF 瀬田工業高
3位 加藤大和 P 帝京大可児高

ドラフトの評価

評価:B

攻守両面を兼ね備えた捕手・進藤の2位指名を皮切りに、強打型のセンター・宮崎や次のスラッガーの有望株として明瀬星野を指名し、打撃陣の充実を図った年に。ここ数年指名を続けてきた二遊間と上手く噛み合えば、かなり楽しみな野手陣が出来るのではと期待が持てます。

一方、投手ではハイクラスを狙った1位指名で外れが二度続いたものの、豊富な大学生投手の恩恵もあり、細野を確保できたのは大きなポイント。ただ、上沢&加藤のWエース流出の可能性がある中、即戦力投手を細野しか指名しなかったのはやはり気になるところです。捕手と先発を天秤に掛けた結果、捕手の進藤を選んだ形になったのだと思いますが、ここの成否は数年後の大きな注目ポイントとなるでしょう。

ヤクルトスワローズ

ヤクルトのドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
× 武内夏暉 P 國學院大
1位 西舘昂汰 P 専修大
2位 松本健吾 P トヨタ自動車
3位 石原勇輝 P 明治大
4位 鈴木叶 C 常葉大菊川高
5位 伊藤琉偉 SS 新潟(独立L)
育成ドラフト
1位 髙橋翔聖 P 鶯歌工商高(台湾)
2位 髙野颯太 3B 三刀屋高

ドラフトの評価

評価:B

ハイクラスな東都投手陣の中で西舘昂が一番評価の難しい投手に感じます。スケールの大きさはNo.1と期待できますが、入った球団により左右される印象も受けていたので、よりによってヤクルトかというのが正直な感想です。ただ、タフさが売りな投手なので、若手投手の健康問題に悩むことが多いヤクルトとしては、適した候補の1人だったのかもしれません。

また、同じく即戦力寄りの投手として松本石原を指名しましたが、ともにリリーフ止まりの危険性を孕んでいるのは懸念材料。武内を外したので仕方のない面もありますが、必須だった即戦力先発の補強に至らなかったという未来も浮かんでしまいます。ここは今後の注目ポイントであり、早ければ1年後には大方の成否が評価できるのではないでしょうか。

一方、野手は捕手の有望株・鈴木と二遊間の強化に伊藤を指名し、センターラインの強化を図った形に。昨年のコーナー強化と合わせると、野手補強に関しては非常に合理的な動きだったと評価できます。

西武ライオンズ

西武のドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
1位 武内夏暉 P 國學院大
2位 上田大河 P 大阪商業大
3位 杉山遙希 P 横浜高
4位 成田晴風 P 弘前工高
5位 宮澤太成 P 徳島(独立L)
6位 村田怜音 1B 皇學館大
7位 糸川亮太 P ENEOS
育成ドラフト
1位 シンクレア ジョセフ 孝ノ助 P 徳島(独立L)
2位 谷口朝陽 IF 徳島(独立L)
3位 川下将勲 P 函館大有斗高
4位 金子功児 SS 埼玉(独立L)
5位 木瀬翔太 P 北嵯峨高
6位 奥村光一 OF 群馬(独立L)

ドラフトの評価

評価:B

ハイフロアが売りの武内を当てるとともに、2位では同じくゲームメイクに優れた上田大も確保しており、即戦力先発の補強に成功した形となりました。続けて、中位以降では杉山成田など、素材型投手の指名も出来ており、非常にバランスの良い投手補強が出来たと思います。

一方、打線強化までに手が回らなかったのは気になりますが、こちらは山川の残留と若手野手陣の成長に期待といった流れでしょうか。むしろ、野手候補が不作だった中、好みのスラッガー型である村田を確保できただけでも評価すべきだと思います。ただ、単純に低評価で仕方なかったかもしれませんが、強打型の捕手にトライしなかったのは少し不満を覚える点です。

読売ジャイアンツ

巨人のドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
1位 西舘勇陽 P 中央大
2位 森田駿哉 P Honda鈴鹿
3位 佐々木俊輔 OF 日立製作所
4位 泉口友汰 SS NTT西日本
5位 又木鉄平 P 日本生命
育成ドラフト
1位 三浦克也 P 東京国際大
2位 村山源 SS 鹿屋中央高
3位 宇都宮葵星 IF 愛媛(独立L)
4位 田上優弥 SS 日大藤沢高
5位 園田純規 P 福岡工大城東高
6位 千葉隆広 P 旭川明成高
7位 平山功太 OF 千葉(独立L)

ドラフトの評価

評価:B

俊足巧打のセンター・佐々木や堅守のショート・泉口といった即戦力野手の指名は、必須だったセンターラインの強化を押さえられており満足な動き。長距離砲を昨年確保したからこそ出来たスムーズな指名でした。

一方、投手の方は人気候補だった西舘勇のくじを無事当てたのは良かったのですが、その後の指名は少し置きに行き過ぎた印象も。特に、大卒社会人5年目だった森田の2位指名はサプライズとなっており、ここの成否は今後の注目ポイントとなるでしょう。また、優先課題であったブルペン補強には左腕の又木を指名しましたが、個人的には支配的な投球が可能なリリーバーを早めに確保して欲しかったです。

阿部新監督の1年目からでも勝負できる体制をとの意味合いがあっての即戦力路線だったと思いますが、頓挫した時の反動が怖い動きでもあるので、現時点ではあまり高い評価を下せないかなとも見ています。

楽天イーグルス

楽天のドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
× 常廣羽也斗 P 青山学院大
× 前田悠伍 P 大阪桐蔭高
1位 古謝樹 P 桐蔭横浜大
2位 坂井陽翔 P 滝川第二高
3位 日當直喜 P 東海大菅生高
4位 ワォーターズ璃海 SS 日本ウェルネス高(沖縄)
5位 松田啄磨 P 大阪産業大
6位 中島大輔 OF 青山学院大
7位 大内誠弥 P 日本ウェルネス高(宮城)
8位 青野拓海 1B 氷見高

ドラフトの評価

評価:B

二度外れが続いたものの、ハイクラスな大学生左腕の古謝を1位で確保し、2位以降では将来性抜群の坂井日當の獲得にも成功。何れの投手も楽しみな素材ではありますが、大社投手中心だった近年の動きと比較すると、少し再建も意識した動きなのでしょうか。ただ、将来性を意識するのであれば、コーナーの長距離砲不足が深刻なので、高校生スラッガーにもっとトライして欲しかった気持ちもあります。

先発ローテの高齢化や外国人スラッガーの不発など、直近で複数の懸念材料を抱えている一方、野手の有望株事情も芳しくない状況。チームのスタンスが非常に微妙な立場となっており、その中途半端さが指名にも表れているように感じました。

DeNAベイスターズ

DeNAのドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
1位 度会隆輝 OF ENEOS
2位 松本凌人 P 名城大
3位 武田陸玖 P 山形中央高
4位 石上泰輝 SS 東洋大
5位 石田裕太郎 P 中央大
6位 井上絢登 3B 徳島(独立L)
育成ドラフト
1位 高見澤郁魅 3B 敦賀気比高
2位 清水麻成 P 樹徳高
3位 小笠原蒼 1B 京都翔英高
4位 庄司陽斗 P 青森大
5位 近藤大雅 C 専大北上高

ドラフトの評価

評価:B

度会のくじを当てはしたものの、今永、石田、そしてバウアーと3投手の去就問題を抱えている事情も踏まえると、やはりハイクラスな先発投手に行くべきだったのではと思ってしまいます(松本はリリーフタイプと判断)。去就問題を穏便に収められるなら、会心の指名と評価できますが、現時点では様子見といったところでしょうか。

また、コア打者の後継者が大きな補強ポイントだったので、度会だけでなく打者評価の方が高い武田や独立屈指の大砲・井上など、複数の大砲候補を指名したのも大きな特徴。ただ、全員左打であることや一部タイプ被りが見られるので、バリエーションの乏しさは懸念材料です。野手候補が不作だった年に敢えて補強を敢行したのも気になるところであり、大砲候補の成否がそのまま今後のドラフト評価に反映されるでしょう。

ソフトバンクホークス

ソフトBのドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
× 武内夏暉 P 國學院大
1位 前田悠伍 P 大阪桐蔭高
2位 岩井俊介 P 名城大
3位 廣瀬隆太 IF 慶應義塾大
4位 村田賢一 P 明治大
5位 澤柳亮太郎 P ロキテクノ富山
6位 大山凌 P 東日本国際大
7位 藤田悠太郎 C 福岡大大濠高
育成ドラフト
1位 大泉周也 OF 福島(独立L)
2位 宮里優吾 P 東京農業大
3位 佐倉俠史朗 1B 九州国際大付高
4位 中澤恒貴 SS 八戸学院光星高
5位 星野恒太朗 P 駒澤大
6位 藤原大翔 P 飯塚高
7位 藤田淳平 P 徳島(独立L)
8位 長水啓眞 P 京都国際高

ドラフトの評価

評価:A

珍しくフロア型の武内に入札を行いましたが、外した後は高校生No.1投手の前田、2位以降ではハイスピンな速球が売りの岩井やTHE スラッガーの廣瀬と、立て続けにシーリング型を指名。近年のシーリング路線では進捗が芳しくないポイントも多いので、特に前田辺りは確実に大成させて欲しいところです。

一方、中位以降では先発の村田大山、リリーフの澤柳と、こちらは一転フロア寄りの指名が目立ちました。戦力外投手より明確な違いが作れるかは少し疑問が残るところですが、投手のデプス強化も怠らなかったのは評価すべきでしょう。

即戦力は国内補強で賄えば良いので、ドラフトは今年のように有望株を集めるのが正解なチーム。近年集めてきたシーリング型の素材たちを上手く戦力化できれば、王者復活も自ずと見えてくるのではと期待しています。

広島カープ

広島のドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
1位 常廣羽也斗 P 青山学院大
2位 高太一 P 大阪商業大
3位 滝田一希 P 星槎道都大
4位 仲田侑仁 1B 沖縄尚学高
5位 赤塚健利 P 中京学院大
育成ドラフト
1位 杉田健 P 日本大国際関係学部
2位 佐藤啓介 2B 静岡大
3位 杉原望来 P 京都国際高

ドラフトの評価

評価:S

4位指名辺りで切り上げるとの報道があった時は少し心配しましたが、いざ蓋を開けてみれば、会心の投手ドラフトでした。人気候補だった常廣だけでなく2位でも指名し上位でフロア型を確保した一方、中位以降は滝田赤塚とシーリング型を指名。育成で楽しみな2投手を獲得したことも含め、非常にバランスの良い投手補強が出来たと思います。

また、高校生スラッガーの仲田も確保するなど、候補が少なかった野手補強を抜け目なく実行したのも高評価。個人的には今年一番上手い指名が出来たチームだと見ています。

ロッテマリーンズ

ロッテのドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
× 度会隆輝 OF ENEOS
× 草加勝 P 亜細亜大
× 細野晴希 P 東洋大
1位 上田希由翔 IF 明治大
2位 大谷輝龍 P 富山(独立L)
3位 木村優人 P 霞ヶ浦高
4位 早坂響 P 幕張総合高
5位 寺地隆成 C 明徳義塾高
育成ドラフト
1位 武内涼太 P 星稜高
2位 松石信八 P 藤蔭高
3位 高野光海 OF 富山(独立L)
4位 藤田和樹 OF 延岡学園高
5位 富山紘之進 C 会津北嶺高

ドラフトの評価

評価:B

三度くじを外したのはやはり痛かったですし、指名順にも恵まれなかった印象を受けます。そもそも、1位の入札が野手→投手→投手→野手とコロコロ変わっていたことから、今年は難しい舵取りになると認識していたのではないでしょうか。とは言え、安田や山口といった既存の若手打者陣との違いを作れる上田希を指名できたのは、結果オーライにも感じます。

一方の投手補強では、即戦力投手がリリーフタイプの大谷だけに終わったのは辛いところ。低コストで補強した投手を用いてブルペン整備が可能なチームなので、出来れば上位では先発タイプが欲しかったのですが、残っていないなら仕方のない話です。苦しい中でも木村優早坂といった有望な高校生投手を確保しており、数年後に盛り返せる可能性を作れただけでも、評価すべきだと思います。

阪神タイガース

阪神のドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
1位 下村海翔 P 青山学院大
2位 椎葉剛 P 徳島(独立L)
3位 山田脩也 SS 仙台育英高
4位 百崎蒼生 SS 東海大熊本星翔高
5位 石黒佑弥 P JR西日本
6位 津田淳哉 P 大阪経済大
育成ドラフト
1位 松原快 P 富山(独立L)
2位 福島圭音 OF 白鷗大

ドラフトの評価

評価:B

18年ぶりの優勝を遂げたので、もう少しロマンのある指名を行うと見ていたのですが、固めの動きを見せた形に。先発に下村、ブルペンに椎葉など、即戦力投手が新たに加わり、ますます投手陣が強固になる気配を感じます。

一方の野手指名には少し疑問も。戦力外の動きなどを見れば、二遊間強化は急務でしたが、昨年指名の戸井も含め山田百崎と高校生続きだったのは気になるところです。また、高校生野手を狙うのであれば、やはりスラッガーに挑戦して欲しかったなという本音もあります。持ち前の投手整備に加え、近年は野手指名でもドラフト巧者ぶりを見せていたので、少し物足りなさも感じました。

オリックス・バファローズ

オリックスのドラフト結果
順位 指名選手 守備 所属
1位 横山聖哉 SS 上田西高
2位 河内康介 P 聖カタリナ高
3位 東松快征 P 享栄高
4位 堀柊那 C 報徳学園高
5位 高島泰都 P 王子
6位 古田島成龍 P 日本通運
7位 権田琉成 P TDK
育成ドラフト
1位 寿賀弘都 P 英明高
2位 大江海透 P 北九州(独立L)
3位 宮國凌空 P 東邦高
4位 芦田丈飛 P 埼玉(独立L)
5位 河野聡太 IF 愛媛(独立L)

ドラフトの評価

評価:S

昨年と同様に上位はロマン、ロマン、ロマンといった流れに。舜平大や齋藤響など、特に若手投手たちが順調な成長を見せているので、河内東松がどう育つのか、期待が膨らむばかりです。

投手の有望株以外にも大型ショートの横山や強肩捕手のと野手の有望株を集めた一方、下位では一転高島古田島権田と社会人投手も指名する抜け目の無さ。ロマンだけでなく直近の課題も意識されており、何故勝てているのか納得できるドラフト運びを今年も見事に披露してくれました。

ドラフト評価ランキング2023

最後にランキング形式でドラフト評価をまとめました。

ドラフト評価ランキング2023
順位 球団 評価
1位 広島 S
2位 オリックス S
3位 ソフトバンク A
4位 西武 B
5位 日本ハム B
6位 阪神 B
7位 DeNA B
8位 ヤクルト B
9位 ロッテ B
10位 楽天 B
11位 巨人 B
12位 中日 C

事前の予想以上に東都勢以外の大学生投手や野手候補の評価が低かったこともあり、蓋を開けてみれば、やや不作寄りな年だったと思います。それに加えくじが相次いだことで、中々難しい指名を強いられた球団もありました。ただ、独立リーガーたちの大胆な抜擢など、各球団工夫した指名が行われていたので、大体の球団が現時点では合格点を出せるドラフトだったのではないでしょうか。

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