【ドラフト】2024年の指名結果と評価

ドラフト2024の指名結果と評価をまとめました!

  • Pは左投を表現。
  • 評価は95点以上=S, 90点台=A, 80点台=Bぐらいの感覚で採点しました。

西武ライオンズ

西武の指名結果
順位 選手 所属
× 宗山塁 SS 明治大
× 石塚裕惺 SS 花咲徳栄高
1位 齋藤大翔 SS 金沢高
2位 渡部聖弥 OF 大阪商業大
3位 狩生聖真 P 佐伯鶴城高
4位 林冠臣 OF 日本経済大
5位 篠原響 P 福井工大福井高
6位 龍山暖 C エナジックS高
7位 古賀輝希 IF 千曲川硬式野球クラブ
育成ドラフト
1位 冨士大和 P 大宮東高
2位 佐藤太陽 IF 神奈川大
3位 ラマル・ギービン・
ラタナヤケ
IF 大阪桐蔭高
4位 佐藤爽 P 星槎道都大
5位 澤田遥斗 OF 京都国際高
6位 福尾遥真 SS 学法石川高
7位 ウメビンユオオケム明 OF 旭川志峯高

指名の評価:A-

2度抽選を外したものの、源田の後釜にピッタリな齋藤大翔を確保すると、2位ではスリップしてきた渡部の指名で、ウェーバー順の恩恵も受けた形に。また、中位以降でも台湾人のスラッガー・林や強肩の高校生捕手・龍山、そして育成では大阪桐蔭の主軸・ラマルを指名するなど、ロマン溢れる野手指名を展開しました。

村田怜音(昨年6位)の好感触を追随するかのように、少しロマンに賭け過ぎた印象も受けますが、変に社会人辺りで固めるよりはこっちの方が面白いです。すぐに期待できるのは渡部ぐらいと時間はかかるでしょうが、近い将来の貧打解消に繋がるかもしれない期待感は十分に抱かせてくれました。

中日ドラゴンズ

中日の指名結果
順位 選手 所属
1位 金丸夢斗 P 関西大
2位 吉田聖弥 P 西濃運輸
3位 森駿太 IF 桐光学園高
4位 石伊雄太 C 日本生命
5位 高橋幸佑 P 北照高
6位 有馬恵叶 P 聖カタリナ高
育成ドラフト
1位 中村奈一輝 SS 宮崎商高
2位 井上剣也 P 鹿児島実高

指名の評価:S

金丸を当てただけに止まらず、2位でも即戦力を期待される吉田を指名し、まずは小笠原の流出に備えると、中位では高校生ショートのロマン枠・森駿太や希少な即戦力捕手・石伊の指名で野手陣も整備。また、下位以降では今年豊富だった高校生投手中心で攻め、直近の補強ポイントに固執しなかった点も、個人的には高評価です。

金丸を当てた時点で普通は合格点なのですが、この球団はそこから迷走しだす危険性もあったので、不安は尽きませんでした。しかし、蓋を開けてみれば、良い意味で予想を裏切ってくれたドラフトに。正に神ドラフトと呼ぶに相応しく、明るい話題が少なかったチームに一筋の光をもたらしたのではないでしょうか。

オリックス・バファローズ

オリックスの指名結果
順位 選手 所属
× 西川史礁 OF 青山学院大
1位 麦谷祐介 OF 富士大
2位 寺西成騎 P 日本体育大
3位 山口廉王 P 仙台育英高
4位 山中稜真 C 三菱重工East
5位 東山玲士 P ENEOS
6位 片山楽生 P NTT東日本
育成ドラフト
1位 今坂幸暉 SS 大阪学院大高
2位 清水武蔵 IF 栃木 (独立L)
3位 上原堆我 P 花咲徳栄高
4位 寺本聖一 OF 広島経済大
5位 田島光祐 C 信濃 (独立L)
6位 乾健斗 P 霞ケ浦高

指名の評価:B-

V逸による焦りか、上位は勿体なさを感じる指名に。外れ1位で巧打型の外野手・麦谷を指名し、安易に補強ポイントを埋めると、続く2位では後回しでも良かった投手に、わざわざコンディション面が懸念される寺西を指名。両者とも素晴らしい選手であることに疑いはありませんが、もう少し上積みを狙える動きを試みても良かったのではと感じてしまいます。

古田島(昨年6位)の成功にあやかった形でもある東山&片山の社会人投手コンビや、UT性を期待した山中の指名は楽しみなポイントです。しかし、近年はゆとりを持った指名が出来ていたチームだけに、全体的に拙速さを抱く指名には困惑を隠せませんでした。

ヤクルトスワローズ

ヤクルトの指名結果
順位 選手 所属
1位 中村優斗 P 愛知工業大
2位 モイセエフ・ニキータ OF 豊川高
3位 荘司宏太 P セガサミー
4位 田中陽翔 SS 健大高崎高
5位 矢野泰二郎 C 愛媛 (独立L)
育成ドラフト
1位 根岸辰昇 1B ノースカロライナA&T州立大
2位 廣澤優 P 愛媛 (独立L)
3位 下川隼佑 P オイシックス新潟
4位 松本龍之介 C 堺 (独立L)

指名の評価:B+

中村の一本釣りはお見事だったので、高評価寄りではあります。ただ、全体的に中途半端さも抱くドラフトでした。中村以降はモイセエフや田中陽翔ら野手の素材を確保した一方、社会人左腕の荘司も指名するなど、バランスの良い指名でした。と言えば聞こえは良いものの、意地悪な見方をすると、どっち付かずにも見えてしまいます。

結局、村上が来オフMLB挑戦となれば苦しむのは明白なので、村上のラストイヤーに全力勝負するか、あるいは今のうちに素材をかき集めるのかの2択に。今年のようなバランスの良い指名を今更やったとて、焼け石に水で終わる可能性もあるので、自分はもっと尖った指名が見たかったです。

楽天イーグルス

楽天の指名結果
順位 選手 所属
1位 宗山塁 SS 明治大
2位 德山一翔 P 環太平洋大
3位 中込陽翔 P 徳島 (独立L)
4位 江原雅裕 P 日鉄ステンレス
5位 吉納翼 OF 早稲田大
6位 陽柏翔 SS 茨城 (独立L)
育成ドラフト
1位 岸本佑也 SS 奈良大付高

指名の評価:A

BIG2の一角である宗山を当てた時点で文句なしの勝ち組に。更には、2位德山で1位投手に行かなかった穴埋めをし、5位吉納で野手補強が宗山だけで終わらなかったのも高評価。また、この2選手は順位縛りも噂されていただけに、絶妙なタイミングで指名できたのもお見事でした。

一方、中込や江原辺りの指名は置きに行き過ぎな印象も。課題の先発補強がコンディションに不安の残る德山だけで終わってしまい、それに加え今年も右の強打者を確保できなかったのは気がかりです。1位宗山を決めた時点でこの懸念は計算済みだと思いますが、ここのフォロー次第では評価が下がってしまう危険性も内包されています。

広島カープ

広島の指名結果
順位 選手 所属
× 宗山塁 SS 明治大
1位 佐々木泰 IF 青山学院大
2位 佐藤柳之介 P 富士大
3位 岡本駿 P 甲南大
4位 渡邉悠斗 1B 富士大
5位 菊地ハルン P 千葉学芸高
育成ドラフト
1位 小船翼 P 知徳高
2位 竹下海斗 P 敦賀気比高
3位 安竹俊喜 C 静岡大

指名の評価:B

宗山を外したのは残念ですが、佐々木泰の方が今のカープにはマッチする気がします。ここ数年集めてきた高校生スラッガーや4位の渡邉悠斗と、ポジションがタブつく危険性も有しますが、貧打を何とかしたいという意図は強く感じました。

一方、投手では佐藤柳之介に注目が集まりがちですが、個人的には菊地ハルンや小船の指名も気になるところ。赤塚(昨年5位)に続き超高身長投手を集めた形となっており、ここの成否は要注目です。単純な長身投手の育成も成功しているとは言えない中、そんなギャンブルを重ねて大丈夫なのかとも思いますが、前述の内野のスラッガー共々、数を集めて誰か化けてくれとの思惑も垣間見えています。

ロッテマリーンズ

ロッテの指名結果
順位 選手 所属
1位 西川史礁 OF 青山学院大
2位 宮崎竜成 IF ヤマハ
3位 一條力真 P 東洋大
4位 坂井遼 P 関東第一高
5位 廣池康志郎 P 東海大九州C
6位 立松由宇 1B 日本生命
育成ドラフト
1位 谷村剛 IF 和歌山東高
2位 茨木佑太 P 帝京長岡高
3位 長島幸佑 P 富士大

指名の評価:B

独自色の強い指名だったので、評価に少し困る感じも。とりあえず、確実性を有した右の強打者が少なかったので、西川史礁を当てたのは当然大きいと思います。また、宮崎と立松の社会人コンビの追加も含蓄のある動きで、ベテランや外国人依存からの脱却も意識した野手指名だと評価したいです。

一方、困惑の要因は投手指名に。今年もロマン型の指名を続けており、特に廣池は今年の右腕No.1にもなれる潜在能力を持つと期待しています。ただ、投手育成の上手さや吉井監督の巧みなブルペン管理などで、彼らが輝いていく展開も十分見える中、昨年に続き確実性の乏しい投手が多いのは、どこか怖さも抱いてしまいます。

横浜DeNAベイスターズ

DeNAの指名結果
順位 選手 所属
× 金丸夢斗 P 関西大
1位 竹田祐 P 三菱重工West
2位 篠木健太郎 P 法政大
3位 加藤響 IF 徳島 (独立L)
4位 若松尚輝 P 高知 (独立L)
5位 田内真翔 IF おかやま山陽高
6位 坂口翔颯 P 国学院大
育成ドラフト
1位 小針大輝 OF 日大鶴ケ丘高
2位 吉岡暖 P 阿南光高
3位 金渕光希 P 八戸工大一高

指名の評価:B-

竹田祐の外れ1位から始まり、育成指名の高校生2投手まで、徹底的にゲームメイカー候補の確保に拘った形。今年は先発ローテのやり繰りに苦心したシーズンだったので、ローテ事情を一刻も早く改善しようという意図が窺えます。また、吉野や石田裕太郎(昨年5位)の成功に追随したい思惑もあったでしょう。

しかし、投手のチョイスには面白味が少なく、目先の補強に囚われ過ぎた印象を強く受けます。違いを作れそうなのは篠木ぐらいしか見当たらず、彼の尖りを上手く戦力化できなかった時には、何とも言えない先発陣となってしまう危険性も。日本S進出の勢いとは裏腹に、終始こじんまりとした指名であったことは否めません。

日本ハムファイターズ

日本ハムの指名結果
順位 選手 所属
× 宗山塁 SS 明治大
1位 柴田獅子 TWP 福岡大大濠高
2位 藤田琉生 P 東海大相模高
3位 浅利太門 P 明治大
4位 清水大暉 P 前橋商高
5位 山縣秀 SS 早稲田大
6位 山城航太郎 P 法政大
育成ドラフト
1位 川勝空人 P 生光学園高
2位 澁谷純希 P 帯広農業高

指名の評価:A-

二刀流の可能性を秘める柴田を皮切りに、藤田や清水と有望な高校生投手を早々に確保。ファイターズらしくロマン、ロマン、ロマンといった感じのドラフトでした。一方、高スピンの速球が魅力の浅利や遊撃守備に定評のある山縣といった大学生も補強する周到ぶり。特に、山縣の守備で投手陣とはまた異なったロマンを抱かせてくれるのも憎いところです。

タレントが揃いつつある野手陣や投手陣の有望株事情を見ると、こういった動きで成功を掴みかけている球団なので、やはり期待したくなっちゃいます。宗山を外しても尚、これだけワクワクさせてくれるドラフトに出来るのはファイターズぐらいでしょう。

阪神タイガース

阪神の指名結果
順位 選手 所属
× 金丸夢斗 P 関西大
1位 伊原陵人 P NTT西日本
2位 今朝丸裕喜 P 報徳学園高
3位 木下里都 P KMG
4位 町田隼乙 C 埼玉 (独立L)
5位 佐野大陽 SS 富山 (独立L)
育成ドラフト
1位 工藤泰成 P 徳島 (独立L)
2位 嶋村麟士朗 C 高知 (独立L)
3位 早川太貴 P くふうハヤテ
4位 川﨑俊哲 SS 石川 (独立L)

指名の評価:B

金丸を外した状況でも伊原や木下と社会人投手を指名できたので、投手陣は間違いなく固くなったと思います。しかし、少し優位性を落としたとはいえ、投手陣は依然堅固であるにもかかわらず、昨年に続き今年も上位を投手中心で攻める必要があったのかは、やはり疑問に思います。

野手指名ではピンポイントな即戦力が求められていた中、独立勢だけで終わってしまったのはかなり心許ないところですし、高校生投手が今朝丸だけで終わったのも寂しい限りです。同じく上位で投手に行く必要性が薄かったジャイアンツとは対照的な動きとなっており、ここで新たな差も生まれてくるかもしれません。

※追記
青柳のMLB挑戦を踏まえると、上位を投手で固めた意図が理解できました。ただ、それでも自分は野手や高校生投手の指名をもう少し優先して欲しかったとの気持ちが残ります。

ソフトバンクホークス

ソフトバンクの指名結果
順位 選手 所属
× 宗山塁 SS 明治大
× 柴田獅子 P 福岡大大濠高
1位 村上泰斗 P 神戸弘陵高
2位 庄子雄大 SS 神奈川大
3位 安德駿 P 富士大
4位 宇野真仁朗 SS 早稲田実業高
5位 石見颯真 SS 愛工大名電高
6位 岩崎峻典 P 東洋大
育成ドラフト
1位 古川遼 P 日本学園高
2位 曽布川ザイレン IF 浜松商高
3位 大友宗 C 茨城 (独立L)
4位 広瀬結煌 SS 市松戸高
5位 河野伸一朗 P 宮崎学園高
6位 川口冬弥 P 徳島 (独立L)
7位 津嘉山憲志郎 P 神戸国際大付高
8位 相原雄太 P 仙台大
9位 岡田皓一朗 P 大阪商業大
10位 漁府輝羽 OF 東北福祉大
11位 木下勇人 OF 千葉経大付高
12位 熊谷太雅 P 東陵高
13位 塩士暖 P 門前高

※育成1位の古川遼は入団を辞退。

指名の評価:B

盤石なチーム事情なので、くじを複数回外したとしても、他の素材を集めれば問題なしといった感じに。前田悠伍とのエースコンビ結成も期待できる村上など、速球の質が自慢の投手を確保するとともに、大学生ショートの庄子だけでなく宇野や石見も補強し、今宮の後継者作りも加速させました。

一方、野手ではもう少し打撃型を指名したかったところ。大友や川口、津嘉山など、他球団が手を出しづらい選手も育成指名できる大所帯故の強みを見せましたが、コア打者の後継者だけはやはり上位を割く必要があるので、そこの優先順位はもう少し考えて欲しいなという感想も抱きます。

読売ジャイアンツ

巨人の指名結果
順位 選手 所属
× 金丸夢斗 P 関西大
1位 石塚裕惺 SS 花咲徳栄高
2位 浦田俊輔 SS 九州産業大
3位 荒巻悠 IF 上武大
4位 石田充冴 P 北星大付高
5位 宮原駿介 P 東海大静岡C
育成ドラフト
1位 坂本達也 C 富士大
2位 堀江正太郎 P 文星芸大付高
3位 鈴木圭晋 P 横浜創学館高
4位 吹田志道 P 弘前学院聖愛高
5位 西川歩 P 山村学園高
6位 竹下徠空 1B 明徳義塾高

指名の評価:A

石塚の指名で岡本の将来的な流出に備えつつ、浦野と荒巻の確保で直近の二遊間の補強にも着手。一方、投手も放置せずに、伸び代お化けの石田充冴やマルチな役割を担えるパワー左腕・宮原を加えておくなど、抜け目のない動きを見せました。

金丸レベルじゃなければ上位で投手に行く必要はない、という判断は自分も同様の見解であり、そのおかげで野手事情は間違いなく明るくなりました。また、門脇の浮き沈みや中山の守備難を辛口に評価し、二遊間に一縷の隙も見せたくないとの動きには個人的に好印象。ただ、菅野の抜ける穴はやはり懸念されるので、他の動きで良い手が打てれば、更に安心と期待が持てる陣容になると思います。

ドラフト評価ランキング2024

最後にランキング形式でドラフト評価をまとめました。

ドラフト評価ランキング2024
順位 球団 評価
1位 中日 S
2位 楽天 A
3位 巨人 A
4位 西武 A-
5位 日本ハム A-
6位 ヤクルト B+
7位 ソフトバンク B
8位 広島 B
9位 ロッテ B
10位 阪神 B
11位 オリックス B-
12位 DeNA B-

ちょいちょい偉そうなことを言ってしまいましたが、どの球団もある程度意図が評価できる指名でした。とは言え、ツキに恵まれた球団や賢明な立ち回りを見せた球団もあったので、多少の差はやはり見られるのかなとも思います。

個々によって色々評価が変わってくるでしょうし、自分の評価に違和感を抱く人もおられると思いますが、1つの見方として受け取ってもらえれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

プロ野球のおすすめ記事!
24-25オフの移籍・補強情報
12球団 巨人 阪神
広島 中日
25年の開幕メンバー予想
12球団 巨人
タイトルとURLをコピーしました