今回は、中日ドラゴンズの移籍情報と補強ポイントをまとめました!
8年ぶりにAクラスとなったドラゴンズ。この勢いのまま優勝を目指したいところだが、そのためには着実な補強が必要不可欠!
ドラゴンズの移籍情報【2020-21】
2020年オフシーズンの主な移籍情報をまとめました。
※投手は左投手を表しています。
残留選手
去就が注目されながらも、残留を決断した選手についてまとめました。
選手 | 守備 | 備考 |
---|---|---|
大野雄大 | 投手 | 国内FA権を行使せず |
新加入選手
選手 | 守備 | 退団/移籍手段 |
---|---|---|
ロサリオ | 投手 | ロイヤルズ |
ガーバー | 外野 | ロッキーズm |
福留孝介 | 外野 | 阪神 |
高橋宏斗 | 投手 | 中京大中京 ドラフト1位 |
森博人 | 投手 | 日体大 ドラフト2位 |
三好大倫 | 外野手 | JFE西日本 ドラフト6位 |
育成 | ||
山下斐紹 | 捕手 | 楽天 |
ルーク・ワカマツ | 内野 | インディアンスm |
ドラフト指名選手の詳細については
「ドラゴンズ ドラフト2020の指名選手を評価」
にまとめてあります!
退団選手
選手 | 守備 | 移籍先 |
---|---|---|
吉見一起 | 投手 | 引退→解説者 |
鈴木翔太 | 投手 | 阪神(育成) |
伊藤準規 | 投手 | 引退 |
小熊凌祐 | 投手 | 引退→球団職員 |
阿知羅拓馬 | 投手 | 引退 |
ロメロ | 投手 | →メキシコLへ移籍 |
ゴンサレス | 投手 | SFジャイアンツm |
石川駿 | 内野 | ロキテクノ富山(社会人野球) |
アルモンテ | 外野 | KT(韓国) |
シエラ | 外野 | メキシカンL |
退団選手の詳細については
「ドラゴンズ2020年オフ 退団選手のまとめ」
にまとめてあります!
移籍情報の注目ポイント
上記の移籍情報から注目すべき選手やポイントをまとめました。
- 大野の残留
- ロサリオ 貴重な左腕リリーバー!
- ガーバー 即戦力として期待も……
- 福留 14年ぶりに復帰!
- キューバ人選手に関する2つの動き
大野の残留
まさかこの記事を書く前に残留が決まるとは予想していなかった。残留が前提であるにしろギリギリまで悩むと思っていたので、早期の決断はファンとしても有難い。優勝した場合来オフのメジャー挑戦を認めるかなどまだ注目ポイントは残っているが、とりあえず来季の残留が無事決まって一安心。
ロサリオ 貴重な左腕リリーバー!
ツーシームとスライダーを武器にする左腕であるため、昨季までドラゴンズにいたジョエリー・ロドリゲスとやや似ている部分がある。
ただ、MLBでの実績はロサリオの方が上となっており、ロドリゲス級の活躍が十分に望めると思う。今季Aクラス入りの大きな要因となった勝ちパターンをさらに厚くする活躍を期待したい。
一応ロサリオとジョエリー・ロドリゲス(来日前)の簡単な比較を以下にまとめた。
投球回 | K/9 | BB/9 | WHIP | |
---|---|---|---|---|
ロサリオ | 66.2 | 6.62 | 4.05 | 1.59 |
ロドリゲス (来日前) |
36.2 | 6.14 | 4.66 | 1.75 |
ガーバー 即戦力として期待も……
マイナーで26発打ったこともあるので長打はそれなりに打てるが、かなり三振が多いのが大きな課題。一方で、守備はスローイングの安定など良いものを持っており、外野を3つとも守ることが出来るのは心強い。イメージ的には長打力を少し弱くして守備力を強化したスパンジェンバーグ(西武)かなと思っている。
守備の上手さなど層を厚くする存在としては面白いが、打撃面を考えると本命の外国人としては物足りない。彼以外に長打を打てる外国人スラッガーを連れてきて欲しいが、あまり高望みは出来ないか。
福留 14年ぶりに復帰!
2000年代のドラゴンズを代表する選手なだけに、昔からのファンには嬉しいニュースでしょう。
チームとしては勝負所の代打として期待!速球への弱さなど衰えを感じざるを得ない状態ではあるが、選球眼の良さはまだ健在。代打の層がかなり薄いドラゴンズにとっては良い選択肢となる可能性は秘めている。
キューバ人選手に関する2つの動き
1つ目は契約未定にもあるように2選手の再契約について。再契約は既定路線として、欲を言えば複数年の保有を模索して欲しいところ。
※追記
アリエル、ロドリゲスともに無事再契約。また、契約年数についてはアリエルが2年契約、ロドリゲスは単年契約となった。
2つ目は東京五輪予選の影響について。予選が行われるとなれば、ドラゴンズのキューバ人選手たちも招集される可能性は高い。昨年の予定ではシーズン開幕前に開催となっており、コロナ対策の隔離期間も考慮すると開幕時から長期離脱となる可能性も。東京五輪の有無はドラゴンズの命運を大きく握っていると言っても過言ではない。
ドラゴンズの補強ポイント
投手と野手に分けて、デプスチャートを基に補強ポイントをチェックしていきます。
デプスチャートについては、2020シーズン終盤のチーム状態を参考に作成しました。
投手陣のデプスチャート 2020
赤字は左投手、()は契約未定、打消し線は退団を表している。
先発 | 中継ぎ A | 中継ぎ B | |
---|---|---|---|
防御率 | 3.57 | 4.33 | |
1番手 | 大野雄大 | ライデル | |
2番手 | 福谷浩司 | 祖父江大輔 | 木下雄介 |
3番手 | 柳裕也 | 福敬登 | マルク |
4番手 | (ロドリゲス) | 谷元圭介 | 三ツ間卓也 |
5番手 | 勝野昌慶 | 又吉克樹 | 山本拓実 |
6番手 | 松葉貴大 | 藤嶋健人 | 佐藤優 |
全体的には先発>中継ぎとなっており、ともに左腕不足は深刻な状況。
先発陣は大野の進化や福谷の覚醒などにより安定感が増しており、6投手以外にも期待が持てる先発が控えている。ただ、規定投球回の経験者が2投手だけしかしないので、過信は禁物。
一方で、中継ぎ陣は勝ちパターンとそれ以外の差が大きすぎるので、テコ入れが必要。
投手陣の補強ポイント
デプスチャートを基に、ドラゴンズ投手陣の補強ポイントをいくつか挙げていきます。
- 即戦力左腕
- リリーフ陣のテコ入れ
即戦力左腕
チーム全体で左腕が質、量ともに不足している中、ドラフトでは育成を含め3人の左腕を指名。ただ、3投手とも素材型なので、やはり即戦力が必要。
先発とリリーフ、どちらも補強したいところだが、大野が残留し一応まだ期待している投手も先発にはいるため、リリーフの方を優先的に補強すべきだろう。
獲得候補は?
チェン・ウェインが一応候補に挙がるが、彼は昔から利己的なところがありマネーゲームとなりそうな気配もあるので、獲得の可能性は低いと思う。
一方で、国外の候補についてはなかなか見当が付かず、例年通りドミニカWLで探してくるのではと予想している。
追記
即戦力左腕としてロサリオを獲得!
リリーフ陣のテコ入れ
中継ぎAの上位5投手については信用できる投球を続けてくれたが、それ以外の中継ぎ陣には正直ガッカリ。今オフは信頼できる投手を1人でも多く増やせるかが大きな課題。各投手の成長を祈りたいところだが過度な期待はできない状態なので、補強にも頼りたいところ。
一応ドラフトでリリーフでの実績もある森を指名したが、ここ最近では先発でも結果を出し始めているので、最初は先発調整させる可能性が高いかな。
獲得候補は?
即戦力左腕以外にもう1人の新外国人投手が欲しいところだが、枠のことを考えるとこちらは厳しいか。ただ、キューバルートから新たな希望株を育成枠で獲得という可能性は残っている。
野手陣のデプスチャート 2020
赤字は左打者、青字はスイッチヒッター、()は契約未定、打消し線は退団を表している。
OPS | 1番手 | 2番手 | 3番手 | |
---|---|---|---|---|
捕手 | .640 | 木下拓哉 | (アリエル) | 郡司裕也 |
一塁 | .778 | ビシエド | (アリエル) | 福田永将 |
二塁 | .720 | 阿部寿樹 | 溝脇隼人 | 堂上直倫 |
三塁 | .752 | 高橋周平 | 石川昂弥 | 石垣雅海 |
遊撃 | .647 | 京田陽太 | 堂上直倫 | 根尾昂 |
左翼 | .733 | 福田永将 | ||
中堅 | .756 | 大島洋平 | 遠藤一星 | 根尾昂 |
右翼 | .587 | 平田良介 |
全体的に控えの層が薄く長打不足も感じるので、早急のテコ入れが必須。
捕手陣と内野陣はレギュラーが固定されており、期待の若手株も控えているため大きなテコ入れは必要ないか。
一方で、外野陣はレギュラーこそ揃っているものの、大島以外は安定感を欠く状況。にも関わらず、控えがかなり不安な陣容となっているので、外野手が1番の補強ポイントでしょう。
野手陣の補強ポイント
デプスチャートを基に、ドラゴンズ野手陣の補強ポイントをいくつか挙げていきます。
- 外野の長距離砲
- 代打のパワーアップ
- 主力に対抗できる二遊間
外野の長距離砲
チャートのように一応3つのポジションは埋められるが、大島以外は信用できない状況。また、チームの課題である長打力も外野手で補うしかない状況なので、外野を守れるだけでなく長打も打てる打者が必要。
左打ちやライトを守れるなど欲を言えばキリがないが、兎にも角にも一発を打てる大砲を!アルモンテを切ったからには、コスパ重視ではなく実績重視の選手を連れてきて欲しい。
獲得候補は?
国内にも梶谷など少し候補はいるが、今オフも新外国人頼みとなる可能性が高い。
新外国人候補としてはドミンゴ・サンタナやメル・ロハスJr.など面白い存在が市場にはいるが、何れもある程度の資金が必要であり、球団の本気度が問われる。
追記
即戦力外野手としてガーバーを獲得!ただ、長距離砲としては物足りないので、引き続き新たな大砲の獲得を模索して欲しいところ。
代打のパワーアップ
野手陣は全体的に層が薄く、特に代打で期待できる打者が少ない。そのため、何人かのベテランが補強候補に挙がっている。ただ、支配枠に空きが少なく若手の蓋となってしまう危険性もあるため、個人的にはベテランの獲得に反対。
獲得候補は?
候補としては福留と内川が挙がっている。両選手ともに経験は豊富なので、獲得に成功すれば勝負所での代打として期待できるかもしれない。
追記
内川はヤクルトが獲得したものの、福留の獲得には成功。
主力に対抗できる二遊間
ドラフト前の会議で話題となったポイント。ただ、狙っていた渡部と牧は指名できるタイミングがなく、指名できたのは高校生の土田のみ。まあ、楽しみな若手が多く控えているポジションでもあるので、外野よりも優先度は低く今オフはテコ入れしない可能性が高いかな。
総括
とりあえず、最優先事項であった大野の残留が早期に決まったのは本当に大きく、これで補強に全力を注げるはず。そして、肝心の補強についてだが、FA市場に関するニュースはほとんどないため、やはり新外国人頼みとなりそう。個人的には優勝を狙うためにも大物の獲得に動いて欲しいところだが、球団がきちんと動いてくれるか?ドラゴンズの本気度が試されるストーブリーグとなりそう。