読売ジャイアンツ2024オフの補強情報をまとめました!
前半に移籍情報、後半に補強評価の2部構成となっています。
※「【巨人】2024-25オフの補強ポイント」に補強ポイントをまとめているので、こちらも併せて見てもらえたら嬉しいです。
移籍情報
現在の支配下選手は63名。
- SP、RPは左投
- 年齢は25年3月31日時点のもの
補強選手
選手 | 守備 | 年齢 | 補強情報 |
---|---|---|---|
田中将大 | SP | 36歳 | 楽天から移籍 |
宮原駿介 | SP | 22歳 | ドラフト5位 |
ライデル・マルティネス | RP | 28歳 | 中日から移籍 |
田中瑛斗 | RP | 25歳 | 現役ドラフト |
石川達也 | RP | 26歳 | 戦力外からピック |
石田充冴 | P | 18歳 | ドラフト4位 |
甲斐拓也 | C | 32歳 | 国内FA |
石塚裕惺 | IF | 18歳 | ドラフト1位 |
浦田俊輔 | IF | 22歳 | ドラフト2位 |
荒巻悠 | IF | 22歳 | ドラフト3位 |
トレイ・キャベッジ | OF | 27歳 | 新外国人 |
育成契約 | |||
坂本達也 | C | 22歳 | 育成ドラフト1位 |
マレク・フルプ | OF | 26歳 | 育成外国人 |
※坂本達也以外の育成ドラフト指名については「【ドラフト】2024年の指名結果と評価」をご覧ください。
退団選手
選手 | 守備 | 年齢 | 退団情報 |
---|---|---|---|
菅野智之 | SP | 35歳 | 海外FA |
メンデス | SP | 30歳 | 自由契約 |
髙橋優貴 | SP | 28歳 | 戦力外 |
畠世周 | RP | 30歳 | 現役ドラフト |
鈴木康平 | RP | 31歳 | 戦力外 |
モンテス | IF | 28歳 | 自由契約 |
ウレーニャ | IF | 25歳 | 自由契約 |
菊田拡和 | IF | 23歳 | 戦力外 |
梶谷隆幸 | OF | 36歳 | 引退 |
立岡宗一郎 | OF | 34歳 | 引退 |
育成選手 | |||
小沼健太 | RP | 26歳 | 戦力外 |
笠島尚樹 | RP | 22歳 | 戦力外 |
川嵜陽仁 | RP | 21歳 | 戦力外 |
山﨑友輔 | RP | 26歳 | 戦力外 |
萩原哲 | C | 26歳 | 戦力外 |
前田研輝 | C | 26歳 | 戦力外 |
加藤廉 | IF | 26歳 | 戦力外 |
岡本大翔 | IF | 22歳 | 戦力外 |
育成選手関連
以下の支配下選手とは自由契約後に育成で再契約。
- 直江大輔 (SP/24歳):24年11月に右肘手術
- 松井颯 (SP/24歳)
- 代木大和 (SP/21歳):24年4月にTJ手術
- 石田隼都 (SP/21歳):24年3月にTJ手術
- 菊地大稀 (RP/25歳)
- 山田龍聖 (RP/24歳)
- 中田歩夢 (IF/20歳)
投手補強の評価
宮原駿介
※今記事では即戦力寄りの指名選手を中心に見ていきます。全体の評価については「【ドラフト】2024年の指名結果と評価」をご覧ください。
【宮原駿介の紹介】
- 地方無双枠の大学生左腕
- リリーフなら即戦力の可能性も
最初の入札は投手の金丸に行きましたが、外した後は一転、野手中心のドラフトを敢行。その結果、大社投手の指名は宮原のみとなっています。
宮原は地方故に5位指名となりましたが、速球とスライダーの2軸で量産する奪三振能力は大きな魅力。数年後には上位勢に負けず劣らずの成績を残す可能性も、十分に秘めた素材だと期待しています。
当面は先発で調整させると見ていますが、スライダー系主体の投球を踏まえると、適性はリリーフな感じも。リリーフなら即戦力となれる可能性も抱けるため、高梨らリリーフ左腕にアクシデントがあった場合には白羽の矢が立つかもしれません。
ライデル・マルティネス
新助っ人を先発ではなくリリーフに行く。当初は獲得レースに名前が無かった中、急転直下で争奪戦を制す。二重の驚きを覚える補強でした。
【24年の投球成績】
投球回 58、防御率 1.09、WHIP 0.81
K% 27.2%、BB% 5.5%、K-BB% 21.7%
上記の数字を見ても分かるように圧倒的な支配力については、今更詳しく述べる必要もない投手だと思います。ただ、流石に勤続疲労の影響が見え始めており、昨季から悪化を見せているK%や平均球速、右打者の打球管理辺りの推移は注視しておきたいところです。
補強の評価
戦力は当然アップしていますが、費やした莫大なコストを考えると、あまり良い評価は下せず。そもそも昨オフの積極的な補強により、ブルペン陣はセ・リーグ1のクオリティまで戻していたので、ここでオーバーペイをする必要性が個人的には理解できません。素直に新外国人スターターに投資した方が、より多くのメリットを享受できたのではないでしょうか。
田中将大
不完全燃焼のまま現役を終える可能性も浮上していたレジェンド右腕に、救いの手を差し伸べた形。
【24年の投球成績 (二軍)】
投球回 23、防御率 3.91、WHIP 1.43
K% 18.3%、BB% 5.8%、K-BB% 12.5%
※一軍では1登板に止まったので、成績は二軍の方を採用。
ベテランらしく制球面は依然優秀なので、後は打球管理さえ最低限の質を保ってくれれば、残り3勝に迫る200勝への期待感を抱けると思います。ただ、左打者との相性や球威不足はもはや隠せないレベルにまで落ちているため、活躍できたとしても一過性で終わる可能性が高いでしょう。
補強の評価
戦力強化というよりはコレクションの意味合いが強いので、良し悪しを判断する部類ではない印象です。そもそも投げられるのかとの疑問は当然残りますが、たとえ投げられなかったとしても、球界の盟主としての器の大きさは示せたので、マイナスにはならない動きだと思います。
まとめ
投手補強を踏まえた開幕時のデプスチャートを予想しました。
先発ローテ | ブルペン陣 | ||
---|---|---|---|
SP1 | 戸郷翔征 | CL | マルティネス |
SP2 | グリフィン* | SU | 大勢 |
SP3 | 山﨑伊織 | SU | バルドナード* |
SP4 | 井上温大* | MID | (ケラー) |
SP5 | 赤星優志 | MID | 高梨雄平* |
SP6 | 横川凱* | MID | 船迫大雅 |
(SP7) | 西舘勇陽 | MID | 泉圭輔 |
(SP8) | 堀田賢慎 | MID | 平内龍太 |
※「*」が末尾に付く投手は左投。
※太字の選手は新加入。
※ケラーは外国人枠の関係で外れる可能性も。
マルティネスの加入でブルペン陣は更に強固となったので、残る問題は菅野の穴埋めのみとなっています。赤星や横川が伸び悩んでいるため、ローテは残り2枠が空いており、23年ドラ1の西舘を筆頭に有望株たちのブレイクが待たれるところ。敢えて新外国人スターターを補強しなかった点を踏まえると、若手の成長に期待している感じも窺えるので、その期待が成就するのか注目です。
野手補強の評価
石塚裕惺 & 浦田俊輔
【石塚裕惺の紹介】
- 高校生No.1スラッガー
- ショートの可能性も残す
【浦田俊輔の紹介】
- 俊足巧打の大学生ショート
- パワー不足が弱点
金丸を外した後は、石塚・浦田・荒巻と上位3枠で野手指名を敢行。しかも、3野手とも二遊間の可能性を残しているのは興味深い点です。ここでは石塚と浦田に絞って、少し触れていきます。
石塚は今ドラフトの高校生No.1スラッガーであり、大学生顔負けの打球速度が売りです。それに加え、アプローチ面も大きな問題を抱えていないため、長打力さえプロで発揮できれば、大成する未来が存分に期待できます。また、ショート起用の可能性を残しているのも面白いところで、どこのポジションで育成していくのかも注目です。
続いて、浦田はスピードと巧打力が売りのショート。特に、三振が少ない打撃は大きな魅力となっており、将来のリードオフマン候補として期待です。一方、パワー不足が弱点のため、ここはもう少し上積みを望みたい点となっています。
甲斐拓也
阿部監督が熱望していたであろう、圧倒的な経験を備えた扇の要を補強。
【24年の打撃成績】
打席 392、打率 .256、HR 5本
K% 22.7%、BB% 7.9%、OPS .690
以前までは過大評価とも感じていた捕手守備ですが、フレーミングを意識したキャッチングに改善してからは、その評価に追い付いてきた形に。それに加え、国際大会や短期決戦で培ってきた数多くの経験があるため、球界No.1捕手との意見があるのも納得です。
補強の評価
司令塔となれる捕手を欲していた阿部監督としては大満足の補強だと思いますが、個人的には捕手・大城の出場機会が大幅に減少しそうで残念です。捕手の守備面をどれだけ重視するかは人によって意見が異なるので、良し悪しの断言はできません。ただ、長打力UPの1番の近道は捕手・大城の復調だと考えていたため、手っ取り早い策を自ら封じてしまった余波は気になるところです。
トレイ・キャベッジ
モンテスの代わりとなる新外国人打者には、0か100かの長距離砲を補強。
【24年の打撃成績 (MLB)】
打席 91、打率 .209、HR 1本
K% 37.4%、BB% 4.4%、OPS .590
【24年の打撃成績 (AAA)】
打席 291、打率 .243、HR 13本
K% 34.4%、BB% 14.1%、OPS .824
彼の面白いところは長打力に加え走力や守備力も有している点であり、天井の高さはかなりのもの。現に、打球系の指標はMLB平均を超えているものも多く、パワーに関しては正真正銘のスラッガー級です。
一方、弱点はもうお察しのようにアプローチ面。特に、大半の変化球と相性が悪いのが大きな悩みです。スイングを減らしたことでBB%が若干増えており、この路線の継続には期待も、そもそもコンタクト力が優れていないため、粗さに関してはもう受け入れるしかないと思います。
補強の評価
ヘルナンデス、モンテスとコンタクト力を意識してきた路線から一転、ここまで粗削りな助っ人を連れてきたのは意外でした。近年の新外国人補強は目利きの良い方だと思うので、何かしらの勝算があるかもしれませんが、指標等を見る限り、パワー面以外で確実に推せる要素は見当たりません。
まとめ
野手補強を踏まえた開幕時のデプスチャートを予想しました。
守備 | 主力 | 控え |
---|---|---|
C | 甲斐拓也 | 大城卓三* |
1B | 岡本和真 | 大城卓三* |
2B | 吉川尚輝* | 中山礼都* |
3B | 坂本勇人 | 中山礼都* |
SS | 門脇誠* | 泉口友汰* |
LF | 丸佳浩* | 秋広優人* |
CF | ヘルナンデス | オコエ瑠偉 |
RF | (キャベッジ*) | 浅野翔吾 |
※「*」が末尾に付く打者は左打。
※太字の選手は新加入。
※キャベッジは外国人枠の関係で外れる可能性も。
ドラフトや甲斐の補強でセンターラインを中心に選手層が厚くなった一方、打撃面では結局、浅野ら若手の成長次第との印象に変わりなし。大規模な投資を行ってきた今オフですが、肝心要の打線の長打力UPに関して、確実な上積みをもたらせなかった点は強調しておきたいところです。