プロ野球2023の現役ドラフトの候補予想をまとめました。
※SP、RPは左投。
ルールの簡単なおさらい
現役ドラフトとは、MLBの「ルール5ドラフト」のように出場機会に恵まれない選手の移籍活発化を目指す新たな試みで、昨年から始まり今年で2回目となります。(今年の開催日時は12月8日。)
指名の流れ
各球団が2名以上の対象選手リストを提出し、獲得希望の投票を経て、本家のドラフトと同様に1選手ずつ指名する形式です。
ただ、本家の指名順とは異なり、他球団からの投票を最も多く受けた球団が最初に指名し、その後は指名を受けた球団に指名権が移っていく独特な形を採用。既に指名を終えた球団に指名権が移った場合は、得票数の多い順に移行していき、同数であった時にはウェーバー順で決めていきます。
また、既に指名された選手やその選手が所属する球団の他選手は指名できない決まりとなっているため、1巡目では全球団が必ず1選手を獲得し1選手を放出する形となります。ちなみに、最大2巡目まで可能となっていますが、2巡目は希望制となっており、昨年は実施されませんでした。
対象から除外される選手
以下に該当する選手は、指名対象に出来ません。
- 育成選手
- 外国人選手
- 複数年契約中の選手
- 年俸が5,000万円以上の選手
※ただし、1名に限り5000万円以上1億円未満の選手を対象にできます。 - FA権を保有、あるいは行使した経験がある選手
- 前年の日本シリーズ終了後に、選手契約の譲渡(トレードなど)で獲得した選手
- シーズン終了後に育成から支配下昇格させた選手
※2023年からのルール変更
5000万円以上1億円未満の選手を対象にした場合、もう1人5000万円未満の選手を追加し、計3名以上の対象選手をリストアップするというルールに変更となりました。つまり、どの球団も年俸5000万円未満の選手を必ず2人以上リストアップする必要があります。
阪神タイガース
昨年の放出選手は陽川尚将 (1B)。
- 秋山拓巳 (SP)
- 鈴木勇斗 (SP)
- 馬場皐輔 (RP)
- 岩田将貴 (RP)
- 島田海吏 (OF)
- 井上広大 (OF)
- 豊田寛 (OF)
- 植田海 (UT)
ドラフトでは投手を多めに指名した一方、戦力外では野手の方が多かったので、投手中心のリストとなりそう。軸となるのはやはり今季2登板に終わった秋山だと予想していますが、他は読めない印象も。昨年の大竹のように高質な選手を今年も狙うのであれば、他球団なら勝ちパ入りの可能性も秘める馬場辺りの名前も挙がるかもしれません。
広島カープ
昨年の放出選手は正隨優弥 (OF)。
- 高橋昂也 (SP)
- 松本竜也 (RP)
- 中村祐太 (RP)
- 森浦大輔 (RP)
- 塹江敦哉 (RP)
- 中村奨成 (C)
- 持丸泰輝 (C)
- 宇草孔基 (OF)
- 大盛穂 (OF)
- 曽根海成 (UT)
戦力外でもおかしくない投手が数人見受けられるため、彼らが中心となりそう。一方、中村奨や松本といった問題児の扱いに苦心しているようなので、彼らを体よく放出する手段として用いる策も。流石に顰蹙を買うと思うので、可能性は低いでしょうが、一応注目しておきたいポイントです。
横浜DeNAベイスターズ
昨年の放出選手は細川成也 (OF)。
- 京山将弥 (SP)
- 坂本裕哉 (SP)
- 三浦銀二 (RP)
- 髙田琢登 (RP)
- 益子京右 (C)
- 東妻純平 (C)
- 神里和毅 (OF)
- 楠本泰史 (OF)
- 蝦名達夫 (OF)
ドラフトでコーナー野手を複数指名したことや戦力外は投手が多めだったことを踏まえると、野手中心のリストとなりそう。ここ数年不調続きの神里を軸に、今季不調だった楠本や蝦名の名前が挙がる可能性も。また、若手捕手コンビも安泰な立場では無いのかなと見ています。
読売ジャイアンツ
昨年の放出選手は戸根千明 (RP)。
- 髙橋優貴 (SP)
- 平内龍太 (RP)
- 畠世周 (RP)
- 大江竜聖 (RP)
- 湯浅大 (IF)
- 北村拓己 (IF)
- 菊田拡和 (IF)
- 増田陸 (IF)
- 重信慎之介 (OF)
- 松原聖弥 (OF)
- 若林晃弘 (UT)
投手陣に関しては、弱点だったブルペン陣の人員整理を戦力外で実行済みのように感じるので、こちらでは野手中心となりそう。一方で、具体的な候補については五十歩百歩なメンバーとなっているので、絞り込みしづらい印象を受けます。
ヤクルトスワローズ
昨年の放出選手は渡邉大樹 (OF)。
- 高梨裕稔 (SP)
- 原樹理 (SP)
- 梅野雄吾 (RP)
- 尾仲祐哉 (RP)
- 長谷川宙輝 (RP)
- 西田明央 (C)
- 松本直樹 (C)
- 元山飛優 (IF)
- 太田賢吾 (IF)
- 三ツ俣大樹 (IF)
- 赤羽由紘 (UT)
昨年と同様に野手のデプス要員を挙げたいのですが、現状では太田ぐらいしか挙げやすい存在がいない印象。そのため、投手からもリスト入りがあるのかなと見ています。また、投手にしろ野手にしろ、尾仲や三ツ俣などの戦力外から拾った選手が、挙げやすい立場にいるのが目に付きます。制度の趣旨から外れるので無いとは思いますが、少し気になるところです。
中日ドラゴンズ
昨年の放出選手は笠原祥太郎 (SP)。
- 福谷浩司 (SP)
- 鈴木博志 (SP)
- 森博人 (RP)
- 橋本侑樹 (RP)
- 石森大誠 (RP)
- 福島章太 (RP)
- 石垣雅海 (IF)
- 三好大倫 (OF)
第2の細川を狙うために価値の残る選手を出すか、それとも昨年はまぐれだと判断し無難な選手を出すか、どちらを選択するのかで方針が変わってくるでしょう。また、今オフは野手補強が目立っている一方、チーム全体でのイニングイートに課題を残す状況なので、セオリーで考えるなら野手中心のリストアップとなりそうです。
オリックス・バファローズ
昨年の放出選手は大下誠一郎 (1B)。
- 村西良太 (SP)
- 前佑囲斗 (RP)
- 本田仁海 (RP)
- 漆原大晟 (RP)
- 山足達也 (IF)
- 大里昂生 (IF)
- 福田周平 (OF)
- 元謙太 (OF)
ヤクルトと同様に昨年と同じく野手のデプス要員を挙げたいのですが、こちらも山足ぐらいしか挙げやすい存在は見当たらない印象。一方、投手がリスト入りとなれば、成績は苦しんでいるものの、出力などのまだ楽しみな要素を持った投手もそこそこいる状況。獲得する側としては、注目したいチームかもしれません。
ロッテマリーンズ
昨年の放出選手は成田翔 (RP)。
- 佐々木千隼 (SP)
- 本前郁也 (SP)
- 東條大樹 (RP)
- 国吉佑樹 (RP)
- 植田将太 (C)
- 柿沼友哉 (C)
- 井上晴哉 (1B)
- 小川龍成 (IF)
- 平沢大河 (OF)
- 山本大斗 (OF)
成績的にはやはり平沢の名前が真っ先に挙がってしまう印象を受けます。ただ、鳴り物入りだった元ドラ1なので、難しい決断ではないでしょうか。また、投手がリスト入りとなった場合は、オリックスと同様に少し面白い投手が挙がる可能性もありそうです。
ソフトバンクホークス
昨年の放出選手は大竹耕太郎 (SP)。
- 杉山一樹 (SP)
- 尾形崇斗 (RP)
- 笠谷俊介 (RP)
- 牧原巧汰 (C)
- 渡邉陸 (C)
- 川原田純平 (IF)
- リチャード (IF)
- 笹川吉康 (OF)
- 水谷瞬 (OF)
戦力外の時点で人気が出そうな選手を切っていたので、当然第2の大竹が出てくるのではと期待が集まってしまうでしょう。現に、投手候補は何れも新天地で化けそうな存在となっています。ただ、トレードでも放出するなど、かなり投手を削っているので、こちらでは野手で行くかもしれません。
楽天ゴールデンイーグルス
昨年の放出選手はオコエ瑠偉 (OF)。
- 内間拓馬 (SP)
- 宮森智志 (RP)
- 弓削隼人 (RP)
- 田中貴也 (C)
- 堀内謙伍 (C)
- 石原彪 (C)
- 渡邊佳明 (IF)
- 田中和基 (OF)
昨年のオコエの流れを汲めば、田中和基が1つ注目の存在でしょう。しかし、戦力外で二軍の帝王タイプの打者を軒並み切ったことも踏まえると、投手寄りのリストになる可能性も。一方、投手では2投手も挙げられない気がするので、やはり野手なのかなとも迷ってしまいます。
西武ライオンズ
昨年の放出選手は松岡洸希 (RP)。
- 宮川哲 (SP)
- 浜屋将太 (SP)
- 大曲錬 (RP)
- 山野辺翔 (IF)
- 呉念庭 (IF)
- 鈴木将平 (OF)
- 西川愛也 (OF)
- 愛斗 (OF)
- 長谷川信哉 (OF)
- 岸潤一郎 (OF)
- 高木渉 (OF)
上記のメンバーの半分以上が外野手なことから分かるように、外野の選別を行うのではと予想。ただ、1番厳しいのが高木だと察せられる一方、ワースト2番手以降は意見が別れそうな印象も受けます。
日本ハムファイターズ
昨年の放出選手は古川侑利 (RP)。
- 生田目翼 (RP)
- 石川直也 (RP)
- 堀瑞輝 (RP)
- 清水優心 (C)
- 古川裕大 (C)
- 郡拓也 (C)
- 石井一成 (IF)
- 淺間大基 (OF)
- 今川優馬 (OF)
他ポジション想定の選手がいる関係もありそうですが、捕手の人数が少し飽和している印象を受けるため、捕手をリストに挙げる可能性も。昨年は3選手以上をリストに入れていたとの噂もあるので、二軍想定の捕手を全員リスト入りさせるといった大胆な動きを見せるかもしれません。