今回は、プロ野球2021年オフのFA選手についてまとめました。
【プロ野球】2021年のFA選手一覧
2021シーズン中にFA権を新規取得した選手を一覧にまとめました。
選手 | 守備 | 所属 |
---|---|---|
Aランク | ||
田中将大 | 先発 | 楽天 |
菅野智之* | 先発 | 巨人 |
山﨑康晃 | 中継ぎ | DeNA |
梅野隆太郎 | 捕手 | 阪神 |
宮﨑敏郎 | 三塁 | DeNA |
西川遥輝* | 外野 | 日本ハム |
Bランク | ||
千賀滉大 | 先発 | ソフトバンク |
大瀬良大地 | 先発 | 広島 |
九里亜蓮 | 先発 | 広島 |
石川歩 | 先発 | ロッテ |
又吉克樹 | 中継ぎ | 中日 |
祖父江大輔 | 中継ぎ | 中日 |
秋吉亮 | 中継ぎ | 日本ハム |
嘉弥真新也 | 中継ぎ | ソフトバンク |
福田永将 | 一塁 | 中日 |
大田泰示 | 外野 | 日本ハム |
Cランク | ||
田島慎二 | 中継ぎ | 中日 |
比嘉幹貴 | 中継ぎ | オリックス |
福山博之 | 中継ぎ | 楽天 |
岡田雅利 | 捕手 | 西武 |
堂林翔太 | 内野 | 広島 |
後藤駿太 | 外野 | オリックス |
木村文紀 | 外野 | 日本ハム |
※すでに所属球団と複数年を結んでいる選手については除外。
※FAランクは推定年俸を参考にしているため、実際には異なる可能性もあります。
※末尾に「*」が付いている選手は新規に海外FA権を取得した選手です。
AランクのFA選手
AランクのFA選手の補償は2通り。
- 人的補償ありの場合
プロテクト外の選手1名+旧年俸の50%の金銭 - 人的補償なしの場合
旧年俸の80%の金銭
田中将大(楽天)
1988年生、先発投手、右投。
ヤンキースに復帰?
実は今季でようやく国内FA権初取得となりましたが、今季終了後にオプトアウト権(契約破棄の権利)もあると言われているので、今更FA権を取得しようが関係ない話でしょう。
さて肝心のヤンキース復帰説ですが、個人的には低いと予想します。NYのメディアなどが復帰を熱望と言われていますが、ヤンキースの補強ポイントはエース級の先発です。今の田中でもMLBのローテ投手は可能かもしれませんが、エース級の働きは正直望めないのでヤンキースとしても優先度の低い候補だと思います。低年俸でのオファーならあるかもしれませんが、そこまでしてヤンキースに戻る必要はないでしょう。今季はイーグルスファンからの大きな期待に応えられなかったという思いも強いと思うので、楽天残留を選択すると予想します。
12/3 オプトアウト(=契約解除)の権利を行使せず残留を発表。
菅野智之(巨人)
1989年生、先発投手、右投。
再度メジャー移籍を模索?
昨オフはポスティング制度を利用してMLB移籍を模索しましたが、交渉期間や提示条件が壁となり断念。今季は海外FA権を取得したので球団の許可や交渉期間については気にしなくても良くなりましたが、問題は条件。年齢も1つ上がり今季の成績も振るわなかったことなどを考慮すると、昨オフ以上の条件は期待薄でしょう。お金ではなくMLB挑戦が夢だと考えているのならば可能性もありそうですが、大人しくジャイアンツ残留を選択する可能性の方が高いと予想します。
12/5 FA権を行使せず残留を発表。
山﨑康晃(DeNA)
1992年生、中継ぎ投手、右投。
かつてはMLB志望も
ハマの絶対的守護神に君臨していた19年には将来的なMLB挑戦の意向を明らかにしていましたが、昨季の絶不調で一気にトーンダウン。今季は少し盛り返しましたが、完全復調には至っていないので現段階でのMLB移籍(ポスティングの利用)は当然封印だと思います。ただ、ベイスターズへの愛着もかなり強いと思うので、国内他球団への移籍も無いでしょう。もし、来季完全復調となればオフに海外FAで挑戦するのかなと予想しています。
12/7 FA権を行使せず残留を発表。
梅野隆太郎(阪神)
1991年生、捕手、右打。
真の評価が中々見えてこず
他球団から見れば梅野は絶対的な扇の要という認識ですが、矢野監督は坂本にも同等の評価をしているようで坂本>梅野の起用が続く時期も目立ちます。この起用に梅野自身が納得しているのであれば大きな問題とはならなそうですが、納得していないのであればFA権行使の可能性もあり得るでしょう。
一時に比べると捕手難の球団は減りましたが、現在進行形で捕手に困っている球団も当然あり、そうした球団にとって梅野は魅力的な候補。タイガースも宣言残留を認める可能性が高いので、とりあえずFA宣言はすると予想します。また、獲得に名乗りを挙げる球団は楽天、巨人、日本ハム辺りかなと思います。
12/3 FA権を行使せず残留を発表。
宮﨑敏郎(DeNA)
1988年生、三塁手、右打。
すでに残留が決定!
昨オフは2選手がFA移籍となってしまったベイスターズですが、今オフは迅速な動きで宮崎の去就問題を解決。6年と異例な長期契約となっており、ベイスターズとしては思い切った形となりました。
西川遥輝(日本ハム)
1992年生、外野手、左打。
メジャー移籍は封印も
菅野と同様に昨オフはポスティングでMLB移籍を模索しましたが、オファーが無く断念。こうした経緯からすでにMLB挑戦は諦めているようですが、環境を変えたいという思いから国内他球団への移籍の可能性は残っています。ただ、走力や守備面では衰えも見えてきており、他球団からの需要はほとんど見込めなさそうな状況です。また、ファイターズとしても減俸を提示する可能性が高そうなので、どちらを選んでも茨の道。個人的には減俸を飲んでの残留が1番無難かなと予想します。
11/16 ファイターズから来季の契約を提示されず。事実上の自由契約ですが、ファイターズと再契約の可能性もまだ残っているようです。
BランクのFA選手
BランクのFA選手の補償は2通り。
- 人的補償ありの場合
プロテクト外の選手1名+旧年俸の40%の金銭 - 人的補償なしの場合
旧年俸の60%の金銭
千賀滉大(ソフトバンク)
1993年生、先発投手、右投。
今オフもポスティングを直訴?
メジャー志向が強くオフの度にポスティングを直訴しており、今オフも同様に訴える可能性が高いでしょう。ただ、ホークスとしてもポスティングを容認しない姿勢を続けているため、今オフも却下する可能性が高そうです。国内FA権を行使して揺さぶりをかける荒技もありますが、わざわざ興味を示す他球団は多分無いですし、順調に行けば来季取得できる海外FA権もふいにするのでかなり危険な策だと思います。
ポスティングは球団の権利なので、素直に残留へと従うしか無いかなと予想しています。
12/5 FA権を行使せず残留を発表。
大瀬良大地(広島)
1991年生、先発投手、右投。
復調気配
故障に苦しんだ昨季からの復調に成功し、FAイヤーに間に合いました。貴重なエース級の先発なので、宣言すれば当然多くの球団が興味を示すでしょう。ただ、大瀬良の性格を考えると、FA宣言する姿が中々想像できません。日本の閉塞的な移籍市場でFA移籍となるとやはり批判する人も多く、大瀬良としてもそうした雰囲気は避けたいと考えてしまいそうな気がします。
カープも出すべき人にはきちんとした額を提示する球団なので、ファンのためにも残留を決断するのかなと予想します。
11/18 FA権を行使せず残留を発表。
九里亜蓮(広島)
1991年生、先発投手、右投。
セの最多勝投手
FAイヤーに最多勝のタイトルを獲得し最高のアピールに成功。エース級かと言われると物足りなさも感じますが、ローテ投手としてはとても優秀で興味を持つ球団も多いと思います。また、カープとしても大瀬良より優先順位がどうしても落ちてしまう投手なので難しいところ。自分を高く売る時としては最高のタイミングで、場合によってはカープが大瀬良に提示した額以上の契約を勝ち取れるチャンスもあると思うので、思い切ってFA宣言すると予想します。
11/22 FA権を行使せず残留を発表。
石川歩(ロッテ)
1988年生、先発投手、右投。
安定感は抜群
今季は故障に苦しんだものの、投球回以外の数字は流石の成績を残しました。ただ、FA取得時のコメントを見ると、国内他球団への移籍は興味が無さそうです。また、19年オフにはメジャー志望を明言したこともありましたが、年齢や故障の多さを考えれば可能性は低いでしょう。マイペースな選手なので予想外の動きを見せる可能性も否定できませんが、基本的には残留と予想しています。
12/4 FA権を行使せず残留を発表。
又吉克樹(中日)
1990年生、中継ぎ投手、右投。
※当初はCクラスと予想されていましたが、実際はBクラスだったようです。
独立リーガーの価値向上のために
元々独立リーグの価値向上をモチベーションの1つとしていたので、独立リーグ出身者として初のFA権行使に強い関心を持っているようです。
今季は勝利の方程式として完璧な働きを見せており、すでに調査中と報道された球団も多い状況です。ただ、奪三振率の低下や30代のリリーバーといった不安要素も幾つかあるので、Bクラスであることも踏まえると撤退する球団も出てくるでしょう。一応ドラゴンズは宣言残留を認めているようなので、とりあえずFA権行使は濃厚だと思います。
11/29 国内FA権を行使。ソフトバンク、DeNAなどが獲得に名乗りを挙げるようです。
12/13 ソフトバンクへの移籍が決定。
祖父江大輔(中日)
1987年生、中継ぎ投手、右投。
今オフの年俸は?
数年前までは勝ちパターンとして信用できないところもあり球団からの低評価が続いた時期もありましたが、勝利の方程式として機能した昨季は高評価をゲット。今季は序盤に少し躓きも見せましたが、結果的にはシーズンを通し勝利の方程式として機能したので高評価を貰えるでしょう。愛知一筋の経歴や年齢を考えると残留が濃厚だと予想しますが、年俸が幾らになるかは多くの注目を集めそうです。
11/24 FA権を行使せず残留との報道。
秋吉亮(日本ハム)
1989年生、中継ぎ投手、右投。
中田の退団によりBに
開幕時点ではCランクと予想されていましたが、中田翔の退団によりBクラスへと繰り上がってしまいました。ここ数年の働きを見るとCクラスでも需要があるかは微妙な状況だったので、Bクラスであれば尚更残留が濃厚と言わざるを得ないでしょう。
11/16 ファイターズから来季の契約を提示されず。事実上の自由契約ですが、ファイターズと再契約の可能性もまだ残っているようです。
嘉弥真新也(ソフトバンク)
1989年生、中継ぎ投手、左投。
今季はやや不調も
左のリリーバーとして渋い働きを続けてきましたが、今季は成績が悪化。まあリリーフが偶に不調な年があるというのは良く見かける光景なので、来季が勝負の年となるでしょう。こうした仕事人を1番高く評価してくれるのがホークスなので移籍という選択肢は端から無いように感じますが、どれほどの契約が提示されるかは少し興味があります。
12/3 FA権を行使せず残留を発表。
福田永将(中日)
1988年生、一塁手・外野手、右打。
忘れられていたよう
負傷した右肩の影響で開幕には間に合いませんでしたが、4月上旬には1軍に復帰。それから抹消されていなかったのでFA権は余裕だなと思っていたのですが、何故か中々発表されず。どうやらNPBが見逃していたようで可笑しなタイミングでの発表となりました。まあ今季は毎年見られる絶好調時の打撃も影を潜め、年齢やBランクであることも踏まえると端から残留が濃厚でしょう。
11/23 FA権を行使せず残留を発表。
大田泰示(日本ハム)
1990年生、外野手、右打。
大不振
FAイヤーに限ってまさかの大不振。Bクラスでこの成績では流石にどこも手を挙げないでしょう。ファイターズから大減俸が提示されての残留が濃厚だと思いますが、交渉次第によっては自由契約での退団もあり得そうです。
11/16 ファイターズから来季の契約を提示されず。事実上の自由契約ですが、ファイターズと再契約の可能性もまだ残っているようです。
CランクのFA選手
CランクのFA選手は人的、金銭ともに補償不要。
田島慎二(中日)
1989年生、中継ぎ投手、右投。
TJ手術から復活
20年春に受けたTJ手術から見事に復活。むしろ術前よりも球威が増している印象で来季は更なる好成績が期待できそうです。祖父江と同様に地元出身の選手なので残留が基本線となりそうですが、昨オフに大減俸を喰らったことから来季の適正な年俸が判断しづらい状況のように感じます。ノーリスクで獲得できる候補のため当然興味を持っている球団も多いので、提示条件次第では一転宣言もあり得るかもしれません。
11/24 FA権を行使せず残留との報道。
比嘉幹貴(オリックス)
1982年生、中継ぎ投手、右投。
報われて良かった
14年の大車輪の活躍がとても印象に残っているだけに、今季の優勝で報われて本当に良かったなと感じます。流石にフルシーズンは厳しいですが、要所要所で存在感を示す投球を見せてくれるのでバファローズとしても心強い存在でしょう。比嘉本人も当然チームに愛着があると思うので、出ていく姿が想像できませんね。
12/7 申請期限日までに特に動きが無かったので、残留が決定。
福山博之(楽天)
1989年生、中継ぎ投手、右投。
苦労人
ベイスターズにもこんな良い球を投げる投手がいるんだなと驚いた1軍デビューから1年後には打者転向を打診されるなどあり退団。楽天に拾われてからは日本一も経験し、遂にはFA権獲得と中々面白い野球人生を歩んでいる選手です。楽天への恩もあると思うので、わざわざ宣言することも無いのかなと予想しています。
12/7 申請期限日までに特に動きが無かったので、残留が決定。
岡田雅利(西武)
1989年生、捕手、右打。
第2捕手候補
2番手捕手として興味を持っている球団もあるようですが、ここ数年は攻守であまり良い数字を残せていないのでそこまで需要があるのかは個人的に疑問です。一方、ライオンズとしては来オフに森の去就問題があり、数年後の捕手陣がどうなっているのか不透明な状況なので出来れば残っていて欲しい存在でしょう。最終的には残留を決断すると自分は予想しています。
11/30 FA権を行使しての宣言残留を発表。
堂林翔太(広島)
1991年生、内野手、右打。
ようやくFA権獲得
昨季の好成績でようやく本領発揮かと思いきや今季の体たらく。いくらCランクとはいえ、ぶっちゃけ需要はほとんど無いと思います。高校時代や1軍デビュー年を知っている人からすればもっと早くFAを獲得しており、もっと大物にと期待していたと思うのですが、今では良くて守備の人という印象に落ち着いてしまいました。
11/5 FA権を行使せず残留を発表。
後藤駿太(オリックス)
1993年生、外野手、左打。
身体能力は高いけど
ルーキーの頃から身体能力の高さが評価されていた選手ですが、課題の打撃が成長せず今に至るといったところでしょう。もう少し守備や盗塁が上手ければCランクなので需要があったかもしれませんが、安易なミスも多いので残留が無難だと予想します。
12/6 FA権を行使せず残留との報道。
木村文紀(日本ハム)
1988年生、外野手、右打。
移籍先でも調子取り戻せず
昨季まではライオンズの辻監督に重宝されていた選手ですが、若手の台頭や自信の不調により序列を大きく落としファイターズへトレード放出。そして、そのファイターズでも打撃の状態は上がってきていない状況です。20年ぐらいの成績ならば少しは需要があったかもしれませんが、今年の成績ではやはり厳しいので残留が濃厚だと思います。
12/3 減額制限を大きく超える金額での契約となりましたが、FA権を行使せず残留を発表。