プロ野球2024シーズン中の新外国人候補をリストアップしました!
トレードの記事に続き、新外国人候補の予想にも挑戦してみました。初めての試みなので、諸々の精度は全く自信がありませんが、補強に関する議論、妄想の参考にどうぞ!
※選手データや成績は6/29時点での情報です。
野手の新外国人候補
野手はAAAで秀でた成績を残す中堅 or ベテランをリストアップしました。
ホセ・ロハス (Jose Rojas)
31歳。右投左打。1B/3B/OF。
唯一のメジャー経験が21,22年のエンゼルスであり、大谷翔平を応援している方の中には見覚えのある方もいるでしょう。また、昨年には韓国でのプレーも経験しています。
選手寸評
長打力
21年にメジャーで6HRを記録するなど、元々長打力は折り紙付き。しかも、今季は初めてAAAでIsoPが3割を超え、HR/FBも20%以上を記録。近年のAAAは打高傾向を示しており鵜呑みは禁物ですが、有望株を除けばリーグトップクラスの長打力を残しています。
三振と四球
AAAでのK%やBB%は毎年平均より優れていますが、メジャーでは安定せず。プルヒッターなのも加味すると、やはりNPBでは苦戦しそうな印象も。ただ、今季はボールゾーンも含めスイング率を減らせているため、これがハマればNPBへの適応も早まるでしょう。
守備面
エンゼルス時代は二塁もやるユーティリティーとして起用されましたが、近年は内外野のコーナーが中心。また、ライトは指標が優れないため、基本的にはレフト中心で考え、余裕があれば三塁辺りも試すのが無難な起用法でしょうか。
総括
ゾーン管理以外に現時点で懸念は見当たらず、アジアでのプレー経験があるのも好材料。とは言え、今季中の移籍の可能性は低そうです。所属のヤンキースでは未だに呼ばれていないものの、他球団からオファーが来る可能性も大いにあり得る状態のため、わざわざ米国外へ移籍するメリットは薄いように感じます。
ブルワー・ヒックレン (Brewer Hicklen)
28歳。右投右打。OF。
パワーとスピードを兼ね備えており、候補の中では1番期待値の天井が高い打者です。一方、メジャー経験は僅か4打席に留まっています。
選手寸評
長打力
AAAの3年で毎年IsoPが2割を超えており、HR/FBも昨年以外は20%超え。また、盗塁も毎年20個以上記録しているため、足でも塁を進められるのは魅力と言えそうです。
三振と四球
以前よりはマシになったとはいえ、AAAでもK%が20%台後半なのはやはり悩みの種に。また、あまりレッグキックを取らないフォームも修正が必要で、当面は苦戦必至でしょう。ただ、平均以上のBB%を踏まえると、スイング管理が破綻している訳ではない様子。微修正&適応が出来れば、ドミンゴ・サンタナのスピード版といった完成形も期待できるかもしれません。
守備面
スピードは申し分なく肩もある方なのですが、打球への反応には課題を残す。基本的にレフトが中心となりそうですが、こちらも修正が可能ならライトでの活路も見えてくるかもしれません。
総括
実は、大学時代はフットボールもやっていたらしく、投打で経験の乏しさが残ってしまうのは致し方ないところ。そのため、上述のように幾つかの修正が必要となっており、戦力化までにはある程度の調整期間を設けた方が良さそうです。ただ、当たれば本当に大きいタイプなので、西武などの低迷する球団が来季以降の起爆剤として狙って欲しい素材だと思います。
ラファエル・オルテガ (Rafael Ortega)
33歳。右投左打。OF。
メジャー通算1150試合出場のベテラン。打撃は元々秀でていなかった一方、持ち味の守備はまだメジャーでセンターを任せられるレベルを保っています。
選手寸評
長打力
ここ2年のメジャーではほとんど長打を打てていませんが、AAAでは最低限の長打力を発揮できている様子。元々得意な対右限定の方が圧倒的に優れているので、併用すればまだ輝きそうな印象を受けます。
三振と四球
打席数が少ないもののメジャーで平均以上のBB%を記録し、AAAでもここ2年は15%以上をキープ。今季のAAAで見ると、来日のありそうな選手の中では上位のBB/Kを記録しています。ただ、欲を言えば、このタイプならもう少しK%を下げて欲しいところです。
守備面
試合数が少ないのであくまで参考記録ですが、まだ平均レベル辺りの指標を残している状態。とは言え、元々センターでの指標が良くないのは懸念材料。レフトならプラスを残せると思うので、最終的にはこちらに落ち着く可能性が高いでしょうか。
総括
候補の中で唯一今季のメジャー昇格を経験していますが、再建中であるホワイトソックスでの昇格なので、あまり気にしなくても良いでしょう。ロマン度に関してはほぼ皆無ですが、隙間を埋める役割ではオススメできる候補。上位を狙えるものの外野デプスに不安を抱える球団には、考慮に入れて欲しい存在だと思います。
投手の新外国人候補
投手も中堅 or ベテランをリストアップ。先発はAAAで中位の上層、リリーフは上位の下層を意識しました。
ジェイソン・アレクサンダー (Jason Alexander)
31歳。右投。SP。
サイド寄りのフォームが特徴の先発投手。メジャー経験は22年のブルワーズで18登板(うち先発は11登板)のみとなっています。
選手寸評
投手タイプ
シンカーでゴロ、変化球で三振を重ねるサイドハンドらしい投手。変化球はスライダーとチェンジアップの2球種でどちらも空振りが奪え、状態に応じて配分を変えています。
今季もゴロ多めの打球管理は健在であり、K%やBB%も大体平均レベル。また、防御率もギリ3点台とリーグ平均を1点ほど下回っており、それでFIPが防御率より優秀なのも評価ポイントでしょう。
懸念ポイント
サイドハンドにありがちな弱点であるイニングイートや対左右の格差といった問題はやはり抱えている印象。ここ2年のAAAでは平均投球回数は5回未満であり、対左には長打を喰らいやすい傾向が出ています。
また、今季は平均球速が軒並み下がっており、シンカーでは140キロ中盤だったのが140キロ前後まで平均が落ちている状態。今のところ、指標には影響が見られませんが、懸念材料と言えるでしょう。
総括
打高寄りのAAAでも平均的な指標を残しているのは評価できますが、サイドハンド故の使いづらさも内包しているのは気がかりなところ。とは言え、来日がありそうな先発候補の中ではこれでも上位寄りの指標となっています。質に関しては疑問が残るものの、先発の駒不足に悩むチームには注目して欲しい投手です。
リコ・ガルシア (Rico Garcia)
30歳。右投。RP。
メジャー通算30登板のパワー右腕。今まで5球団に所属したものの、メジャー定着に至らずといった状況が続いています。
選手寸評
投手タイプ
昨年のメジャーでも平均球速が上の方だった速球がやはり大きな武器であり、そこに時折チェンジアップやカーブを混ぜるスタイル。これらのコンビネーションで圧倒的なK%を記録しています。
また、今季からはカットボールも採用しており、こちらの空振り率も上々。今季のAAAで30%超えのK%は伊達ではないです。
懸念ポイント
上記で触れなかったことから皆さんが察するように、課題はやはり制球面。今季のAAAでは10%台前半で留まっていますが、年によって安定しないコントロールは悩みの種に。また、速球のコマンドもアバウトでフライ打球も多いので、手痛い一発を喰らうリスクは常に抱えてしまうでしょう。
総括
長所も短所も典型的な外国人リリーバー。ただ、制圧力もやはり外国人らしいパワフルな指標を残しているため、ブルペン強化の一策として注目したい投手に。速球の改善&調整に自信のある球団には狙って欲しい候補です。
アンソニー・ゴース (Anthony Gose)
33歳。左投。RP。
野手としてメジャデビューを果たすも、18年からは投手に転向した異色の経歴の持ち主。また、22年9月にはトミー・ジョン手術を受けましたが、今季の投球を見る限りは予後もすでに問題ない様子です。
選手寸評
投手タイプ
速球とスライダーの2ピッチで三振の山を築くパワーレフティー。21年にAAAへ昇格してからはK%が常に30%を超えており、これはメジャーでも術後でも同様です。
懸念ポイント
逆に、BB%はある程度登板を重ねると、15%を超えてしまう感じに。この荒削りな部分があるので、今季はまだメジャーに呼ばれていないのでしょう。
また、変化球がスライダーしか無いため、やはり対右は少し苦手な様子。制球面の悪さも加味すると、右投手の介護が必要となるケースも発生しそうです。
総括
リコ・ガルシアより荒削りなリリーバーとなっていますが、外国人のパワーレフティーの成功率はそこそこ高いため、敢えて挙げてみました。丁度K-BB%や球種もダーウィンゾン・ヘルナンデスと近いため、戦力化の見通しは明るいものがあると期待できます。