今回は、ヤンキース2021オフの移籍情報と補強ポイントをまとめました!
何とか首の皮一枚でPS進出を決めたヤンキースですが、ワイルドカードゲームで宿敵・レッドソックスにあっさりと敗北。
PSを勝ち上がれないシーズンが続いている中、久々に大型補強があるのか注目です。
ヤンキースの移籍情報【2021-22】
※SP、RPは左投を表しています。
※末尾に「*」がある選手は21シーズン中に加入した選手です。
新加入選手
選手 | 守備 | 移籍情報 |
---|---|---|
ミゲル・カストロ | RP | NYM (trade) |
デビッド・マッケイ | RP | TBm (trade) →メジャー契約 |
ベン・ロートベット | C | MIN (trade) |
ホセ・トレビーノ | C | TEX (trade) |
アンソニー・リゾ* | 1B | 再契約 |
ジョシュ・ドナルドソン | 3B | MIN (trade) |
アイザイア・ カイナー=ファレファ |
IF | |
ティム・ロカストロ* | OF | 再契約 |
ジェイソン・ロサリオ | OF | BOS (claim) |
マーウィン・ゴンザレス | UT | HOU ※マイナーから昇格 |
マイナー契約 | ||
マニー・バヌエロス | SP | LMB |
ビニー・ニットリ | RP | MINm |
ジミー・コルデロ | RP | CWS |
ライアン・ウェバー | RP | SEA |
シェルビー・ミラー | RP | PIT |
ホセ・ムヒカ | RP | COLm |
ロブ・ブラントリー | C | 再契約 |
デビッド・フレイタス | C | TBm |
ホセ・ペラザ | IF | NYM |
ロナルド・グーズマン | 1B | TEX |
グレッグ・バード | 1B | COLm |
フィリップ・エバンス | 3B | PIT |
エンダー・インシアーテ | CF | CINm |
ライアン・ラマー | OF | 再契約 |
退団選手
選手 | 守備 | 移籍情報 |
---|---|---|
コーリー・クルーバー | SP | FA |
ブレット・ガードナー | OF | FA ※OP破棄 |
ダレン・オデイ | RP | FA ※OP破棄 |
ニック・ネルソン | RP | PHI (trade) |
アルバート・アブレイユ | RP | TEX (trade) |
ジョエリー・ロドリゲス* | RP | OP破棄 →再契約 →NYM (trade) |
ゲイリー・サンチェス | C | MIN (trade) |
ドニー・サンズ | C | PHI (trade) |
ジオ・ウルシェラ | IF | MIN (trade) |
ルーク・ボイト | 1B | SD (trade) |
クリス・ギッテンズ | 1B | 楽天 (譲渡) |
ルーグネッド・オドーア* | 2B | DFA-リリース |
アンドリュー・ベラスケス | SS | LAA (claim) |
クリント・フレイジャー | OF | DFA-リリース |
グレッグ・アレン | OF | PIT (claim) |
タイラー・ウェイド | UT | DFA- LAA (trade) |
補強ポイント&ToDoリスト
テコ入れを図りたいポジションは多いですが、実際に動けるかは流動的な状況です。
先発陣の強化
コール、モンゴメリー、タイヨンの3投手は確定として、そこにヘルマンやスイングマンから昇格したコルテスJr.、キングやギルなどの若手陣も控えていて、来季からはおそらくセベリーノもスターターに復帰してくるでしょう。こうして見ると枚数自体は揃っている印象を受けます。
ただ、シーズン終盤やPSなど大事な試合を任せられる先発、つまり質の部分を考えると、コール以外には不安が付き纏う陣容でもあります。よって、この質の部分を埋められる先発が最低もう1枚必要だと思います。
リリーフ陣の強化
守護神のチャップマンは抑えを剥奪された時期もあり、次点のブリットンは9月にTJ手術で離脱と後ろの2枚看板に悩まされることが多かった昨季。それでも、グリーンを筆頭にJ・ロッドやホームズなどの新加入組やロアイシガやキングなどの若手陣と色々な投手を駆使し何とかタスキを繋いできました。
来季もブリットン以外は戦力として計算可能なので引き続き強力なブルペン陣は形成できると思います。ただ、数年前のスーパーブルペンと比べるとまだ信用しきれないメンバーなので、可能であれば少し補強をしたいところでしょう。
内野陣の再編成
トーレスを遊撃から二塁へとシーズン途中にコンバートを行ったため、現状遊撃手のレギュラーが不在となっています。
終盤は主に二塁トーレス、三塁ルメイヒュー(←二塁)、遊撃ウルシェラ(←三塁)の陣形を敷いていたのでこの布陣を継続するのが今のところ無難なプランとなっていますが、今オフは遊撃手の大物が数多くFA市場に出ているので補強も選択肢の1つとなっているでしょう。ただ、マイナーには遊撃手のプロスペクトが複数揃っており数年以内にメジャーデビューさせる見込みとなっているので、大型契約は避けたいところかもしれません。
また、一塁のボイトは故障離脱も度々あり打撃成績が悪化しているため、トレード放出の噂もシーズン中から流れています。新たな一塁手としてリゾの再契約を含め多くの噂が流れており、右打者偏重を改善するため左打の一塁手獲得に動く可能性もありそうです。
外野陣の強化(特にセンター)
外野はジャッジとギャロ、そして春季トレーニングから復帰予定のヒックスが主力を務めていますが、やはりヒックスの健康状態は大きな懸念材料です。
年間を通してセンターを守れるのは現状ヒックスしかおらず、昨季ヒックスの代役として多くの守備機会を得ていたガードナーは今オフもFAに。昨オフと同様にガードナーとは再契約を結ぶ可能性もありますが、一方で引退の可能性も示唆している状況です。若手のフロリアルも伸び悩みに陥っており、ヒックスの健康状態次第ではセンターに大きな穴が空いてしまう危険性があります。
こうした状況のためセンターに大物獲得の噂も流れていますが、他ポイントとの兼ね合いを考えると多くのコストを費やせるかは微妙なところ。やはりガードナーとの再契約を目指す方が1番現実的だと考えます。
正捕手問題
守備面の不安を打撃で補ってきた正捕手・サンチェスですが、その肝心な打撃もここ数年は不調。
本来であれば正捕手交代と行きたいのですが、代役に目処が立たないためサンチェスで我慢するしかない状況が続いています。今オフの移籍市場は正捕手級の候補が少なく、捕手陣のテコ入れは一筋縄では行かなそうです。
補強の進捗状況
ロックアウト前後に分けて紹介。
ロックアウト前
ロックアウト前までの補強はJ・ロッドのみであり、この補強も再契約であることから実質補強は0。
40人枠はほぼ一杯であり調停権を持つ選手が多いことからペイロールも贅沢税ライン超えは確実視されている状況のため、動きたくても中々補強に動けない状態に陥ってしまいました。
新労使協定次第ではペイロールに余裕が生まれる可能性もありましたが、その肝心な労使交渉も暗礁に乗り上げたため、来季に向けての明確な戦略が立てられない状況に。
その一方で、そんなのお構いなしと言わんばかりに大型補強を実行する球団が同じNYにあるため、ヤンキースファンにとってはフラストレーションが溜まるストーブリーグとなっていました。
ロックアウト後
ようやく補強が動き出す。大物獲得とはなりませんでしたが、幾つかのポジションでメンバーの大きな入れ替えが発生。
ツインズと大型トレード
両球団合わせて計5選手が移動した大型トレード。何れも40人枠の選手という点にも注目です。
- ヤンキース 獲得選手
- ジョシュ・ドナルドソン (3B)
- アイザイア・カイナー=ファレファ (IF)
- ベン・ロートベット (C)
- ヤンキース 放出選手
- ゲイリー・サンチェス (C)
- ジオ・ウルシェラ (IF)
色々と面白い要素が詰まったトレードなので、3つの注目ポイントに分けて少し解説していきます。
ショートのレギュラー確保
まず1番重要な狙いは短期的なショートのレギュラーを確保すること。
今オフは大物遊撃手が市場に多く出ており幾つか噂に上っていましたが、金銭面やポルピーなど遊撃手の有望株を多数抱えていることを踏まえると、大型契約は現実的ではなく無難に穴埋めが出来る遊撃手を探していました。
その無難な穴埋めとしてカイナーファレファはまさに打ってつけの存在。打撃面は少し物足りなさも覚えますが、後2年保有できUT性も併せ持つ選手。繋ぎのショートとしてはとても魅力的な選手を獲得できました。
捕手の入れ替え
サンチェスの捕手守備はかなり評判が悪く、正捕手として厳しいレベルに。持ち味の打撃も不安定な内容が数季続いていることから放出論は度々囁かれていました。
がしかし、代わりの捕手獲得の目処が中々立たないという問題があり、棚上げ状態が続いていました。
そうした中、今回の取引では若手捕手・ロートベットの獲得に成功。サンチェスの放出と同時に新たな捕手の確保というミッションも遂行できた形となりました。
ロートベットは打撃があまり期待できない守備型の捕手ですが、24歳という年齢や左右の違いでヒガシオカと差別化できる点は魅力的。今季はプラトーン起用で実績を重ね、上手く行けば数年後のレギュラーを期待といったところでしょう。
ドナルドソンの契約を負担
ドナルドソン獲得とともに残り2年5000万ドルの契約を全額ヤンキースが引き継ぐという点にも注目が集まります。
ツインズとしてはサラリーダンプに成功したことで次の補強に動きやすくなり、ヤンキースとしてはドナルドソンの契約を負担する代わりに補強ポイント2つの穴埋めに成功。まさにWIN-WINのトレードとなりました。
ドナルドソンは36歳と大ベテランの域に入っており、残り2年5000万ドルの契約は少しリスキーにも感じます。実力的には放出したウルシェラよりも上ですが、コストを考えるとどちらが良いかは意見が分かれそうなところです。まあ、ヤンキースは資金力のあるチームで今オフもあまり散財していないので、大した問題では無いかもしれません。
リゾの再契約とボイトの放出
昨季途中加入のリゾと再契約し、度々噂に上っていたボイトを遂に放出。
リゾの再契約
本音を言えばフリーマンやオルソンが欲しかったと思いますが、やはり一塁手の補強にしてはコストがかかり過ぎると判断したのでしょう。彼らの次点候補であったアンソニー・リゾと再契約に成功。契約は2年3200万ドル、リゾ側に22シーズン終了後にオプトアウト(契約解除)の権利がありとなっています。
一昨年辺りから数字を落としているのは気がかりですが、出塁率の安定感やチームに手薄な左打者という利点があり、打線の強化に少しは貢献してくれる選手だと思います。
ボイトを放出
ツインズとのトレード時点で内野の主力格が飽和状態となっており、そこにリゾも加わったのでボイトの居場所がないのは明確でした。そのため、リゾとの再契約後、即パドレスに放出。
取引内容を見てももう少し上が狙えたのではと疑問が残り、追い出すような形で退団となってしまったのには少し同情も覚えます。
総括
ロックアウト前に溜まっていた不満は少し緩和されたと思いますが、幾つか上がっていた大物獲得はどれも成立せず、結局は無難な補強で終わってしまったという印象も受けます。
ただ、ヤンキースにはもう1つ大きなミッション、今季終了時にFAとなるジャッジとの契約延長交渉が残っており、これを成功させるためにはあまり散財できなかったという事情は理解しておく必要があるでしょう。ジャッジとの契約が無事まとまれば、まあ及第点は出せるストーブリーグかなと思います。
別に戦力が揃っていないわけではないのでワールドチャンピオンも十分狙えるチームには違いないです。ただ、ハイレベルな激戦区であるア・リーグ東地区の現状を鑑みると、ポストシーズン進出を逃す可能性も否定できません。
上から下まで振れ幅の大きい可能性が考えられる今季。上位への確実性を上げるためにも、もう少し補強を頑張って欲しかったという不満も多くのファンが抱えているように思います。
スタメン予想や戦力分析はこちら↓
「【ヤンキース】2022年の開幕メンバー予想&戦力分析」